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ep287 ページ40

その姿を確認してすぐさま


「神楽ちゃん!重傷承知で頼む、少し時間稼いで!」


私はそう言って、血反吐を吐いてふらついた晋助を支えた。

すると手に触れるのはぬるりとした血の感触。



「ったく…自分の身体に刺さった刀引き抜いて使うバカがどこにいんだよ」


必死に傷口を縛り直しながらも、自分の声が震えてるのがわかった。


「何のための止血だと思ってんのさ。馬鹿なの?」


止まるモンも止まらないじゃん…これ以上どうしろってんだよ……。


だがそう言っても晋助はこちらに体重を預けたままだんまり。


「……うんとかすんとか言いなよ!?」


思わず顔を上げてそう言えば、「くくっ……」と場違いな笑い声が降ってきた。



「なんでお前ェの方が死にそうなツラしてんだよ……」



視界に広がる晋助の表情は何故か笑顔。
最初こそ呆気にとられてたが、そのうち憎たらしく思えてくる。


「そんなん分かってんじゃん……。当たり前のこと聞かないでよ」



笑ってるくせに血だらけで、息も苦しげで――……

死にそうなツラしてんのはそっちだろ……。


私は思わず溢れた涙を慌てて拭い、振り払うようにして前を向いた。


「神楽ちゃん、銀時頼んだ!このまま突っ切る!」

「分かったアル!」



突破が絶望的だった筈の道も、夜兎2人のお陰で何とか切り開かれていく――。


そして次々と迫る敵を薙ぎ払い、やっとのことで追手を振り払った私達は分かれ道で立ち止まった。



「ここからは別だ。シンスケは貰うよ」


そう言って晋助を抱え、反対の道へと向かう背中に言う。



「おいピンク髪……晋助死なせたらブッ殺すからな」


それに対してピンク髪は手をひらひらとだけさせると、すぐさま走り去っていった。



その姿を見送ってから私も銀時達を振り返る。


「行こう…神楽ちゃん」


そう言って銀時の肩に手を回せば


「参謀……行き先こっちでいいのかよ……?」


ぽつりと、尋ねる銀時。



「……なに、妬いてんの?拗ねてんの?」

「どっちでもねぇよバーカ」


そのひどい言い草に「ははっ」と笑いつつも、


「大丈夫。合ってるよ」


それだけ言って、私達は仲間の元へと走り出した。




 

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ギラッフェ(プロフ) - ゆうゆさん» コメントありがとうございます!楽しみにして下さってて本当に嬉しいです。これからもよろしくお願いします! (2021年3月1日 1時) (レス) id: c665168944 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - ひなたさん» コメントありがとうございます!テストに間に合ってよかったです。これからもよろしくお願いします! (2021年3月1日 1時) (レス) id: c665168944 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうゆ - 更新凄く楽しみに待ってました!応援してます、これからも頑張ってください!! (2021年2月26日 1時) (レス) id: 90e018deaa (このIDを非表示/違反報告)
ひなた(プロフ) - めちゃめちゃ楽しみにしてました!これからの展開が楽しみですこれで明日のテスト頑張れます! (2021年2月26日 1時) (レス) id: a90e951796 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - じゅうぞうさん» コメントありがとうございます!なかなか更新できずすみませんでした。応援ありがとうございます! (2021年2月26日 1時) (レス) id: c665168944 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ギラッフェ | 作成日時:2020年8月29日 0時

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