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ep286 ページ39

自分の敵は自分の中の弱さ、そしてそれから目を背ける自分自身――。


そう教えてくれたのは松陽だった。

だけどそこへ導いてくれたのは……
私を松下村塾と出会わせてくれたのは――



君なんだよ、晋助……。



他人のこと入れといて、自分は勝手に破門された気になって……ばかじゃないの。



止血する手に思わず力が入った。

しかしそれでもどくりどくりと血溜まりは広がり続ける。



「俺はコイツのやり方を認めるワケにはいかねェ。たとえ斬ることになってもコイツを止める。
……だがこの世で誰よりコイツの気持ちを知ってるのも俺だ」


銀時の言葉に思わず涙ぐみそうになって唇を噛み締めた。


「この世で最も憎んだものは同じだ。てめぇらだけにはコイツを斬る資格はねェ。

コイツを斬るのも護るのも、この俺だ。それが俺の定めた侍だ」


銀時の言葉を聞き終えた朧は閉ざしていた口をゆっくりと開く。


「やはりあの時死ぬべきであったか……。
松陽も嘆いていよう。己が命を賭して守った弟子達が己がゆえ憎しみに身を焦がし、命を散らすことを……」


そして


「さらばだ、松陽の弟子達よ。師と友の元へ還れ」


その台詞と共に一斉に襲いかかる天導衆。


だが、それを力任せに斬り伏せた銀時が




「てめぇが……松陽を――ッ!!」

と刀振りかざした瞬間、



一陣の風と共に



「――……語るんじゃねェ」


晋助が朧の左眼に刀を突き立てた。



突然のことに唖然とする。
さっきまで傍らで、呼吸すら浅かった筈の晋助が自分の足で立ち、敵を見据えている姿とその殺気。


「てめぇもしかと灼きつけておきな……その眼に最後に映したツラを。
俺か、それともコイツか……。どちらがここでくたばろうが、どちらかが必ずてめェらを地獄に送る」



血反吐を吐きながらも並び立つ2人の背中で、どうしようもなく目頭が熱くなる。



「生き残る?貴様らは2人ともここで果てる運命だ!!」


そして次の瞬間――



ドン――――……!!


と鈍い轟音がして一面に砂煙が広がる。


敵の援軍かと焦燥混じりに視界に捉えたのは……



「ざんねーん、どっちも死なないよー。何故ならどっちも俺が殺るから」

「誰にも銀ちゃんはやらせないネ。神威、お前にもな」



チャイナ服の人影2つだった。




 

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ギラッフェ(プロフ) - ゆうゆさん» コメントありがとうございます!楽しみにして下さってて本当に嬉しいです。これからもよろしくお願いします! (2021年3月1日 1時) (レス) id: c665168944 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - ひなたさん» コメントありがとうございます!テストに間に合ってよかったです。これからもよろしくお願いします! (2021年3月1日 1時) (レス) id: c665168944 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうゆ - 更新凄く楽しみに待ってました!応援してます、これからも頑張ってください!! (2021年2月26日 1時) (レス) id: 90e018deaa (このIDを非表示/違反報告)
ひなた(プロフ) - めちゃめちゃ楽しみにしてました!これからの展開が楽しみですこれで明日のテスト頑張れます! (2021年2月26日 1時) (レス) id: a90e951796 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - じゅうぞうさん» コメントありがとうございます!なかなか更新できずすみませんでした。応援ありがとうございます! (2021年2月26日 1時) (レス) id: c665168944 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ギラッフェ | 作成日時:2020年8月29日 0時

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