【銀魂】前職：攘夷四天王専属参謀 伍

ep203 ページ6

デコボッコショックから数週間……



そろそろ変わった性別での生活にも慣れ始めた頃。

案の定、器物損壊の報告書がいつまでたっても書き終わらない私の元に客人が来た。



「銀子……帰って来てたの……？」

「んー、まぁ……」


曖昧な返答で髪をいじる彼女に「取り敢えず座りなよ」と座布団を出した。


そう……銀子は騒動の後、万事屋を事実上解散し、自分探しの旅とやらに出たのだ。

正直、もうしばらくは帰ってこないんじゃないかと思ってた。


座布団に座った銀子は、なにやら落ち着かない様子で視線を泳がす。


「あー、どうだ？そっちの奴等」


口を開いたかと思えばそんな事を聞かれる。
奴等ってまん選組のことか……


「吉原で頑張ってるみたいだよ。総子ちゃんなんか結構お客から巻き上げて、絶賛売れっ子らしい」

「らしいって……会ってねぇのか？アイツらと」


会ってないというか、吉原にお世話になり出してから彼等はあまり屯所に帰って来なくなったのだ。


「自分達が男だったこと、嫌でも思い出しちゃうからね」

「そっか……」



訪れる沈黙。




なんとか話題を繋ごうと依然、視線をふらふらさせる銀子。元々こんな歯切れの悪い奴じゃなかったはず……女子(仮)になった影響か？


いよいよ、その煮え切らなさに虫の居所も悪くなって来て私は問う。



「で、何の用なの？」

それを聞いて銀子は肩をビクつかせる


「まぁ、だいたい見当はつくけど。これに関しては君が君の口で言うことが大事でしょ？」



性格悪いだの何だの一通りの御託を並べて、気が済んだらしい彼女は言った。


「男に戻りてぇんだ……。力を貸してほしい」


「自分探しの旅とやらで見つけた答えがそれ？」



そう聞けば銀子は静かに頷いた。




　

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