【銀魂】前職：攘夷四天王専属参謀 伍

ep245 ページ48

まだ長くなりそうだしと思って局長達の分のお茶も入れて戻った審議の場には――……



布団を敷いて寝転がった挙句、「寝苦しい」とかほざきながら自分のアフロ頭を外したヅラがいた。



ん？

なにしてらっしゃるの、あのアホ…？え？


「……ん〜これなら良いZが見れそうだ」


良いZってなんだよ。意味わかんねぇよ。



とか思っている間に



「そーかいそーかい。ならそのまま永遠にZ解すればいい……ヅラァ……」


真選組隊士総出で刀を向けられるヅラ。

ですよねー。さすがにもうバレますよねー。



「あーー……バカ」


私がそうぽつりと呟いた瞬間、中庭では爆発と共に煙幕が立ち込める。



「斎藤ッ！！よくもこの俺の正体を暴いたなッ！」


『いやテメェが墓穴掘っただけだろぉぉおがッ！！』


あーもー、ほんとだよ。なんなの？
なんでこう予想外のことしかしないわけ？


斎藤隊長の無実を奪還したところで職業観の不一致とかでテキトーにヅラを脱退させれば、めでたしめでたしだったのに。



屋根の上で火花を散らす斎藤隊長とヅラを見上げながら溜息をつく。

そしてエリザベスを連れて逃げたヅラを追いかけるよう命じる副長。


「終！お前は奴を――裏切り者を追えっ！！三番隊隊長はお前だっ！！」


それに応えて走り去っていった斎藤隊長を見送り、私は副長を見た。


……へぇ


「裏切り者ねぇ……？」

少しニヤつきながらそう言えば不機嫌そうな副長が振り向く。


「んだよ、橘」

「別に何でもありませんよ」


とは言うものの、こちとら面白くて仕方がない。


裏切りって言うのは、本来仲間だった人間が反旗を翻すから裏切りなのだ。

そもそも敵対するヅラがその正体を明かしたところで、厳密に言えばそれは裏切りには当たらない。

でもまぁ、それを裏切りと呼ぶのならそれだけ真選組にとって『柱さん』は仲間として信頼するに足る人間だったということだ。



「ふーん、そっかそっかー」


一人でニヤニヤしながら私は騒がしい中庭を抜けて屋根裏に回った。



「はーい、お疲れ様でした万事屋さん」


そしてすっかり疲労困憊の万事屋3人をねぎらう。


「ほんとだよ。最初聞いた感じじゃ、もっと楽勝って感じだったじゃねぇか」

「いや、誰も2人があそこまでボケ倒すなんて思わないじゃん」


ほんと想定外すぎて焦ったわ。


「まぁ、何はともあれありがとう。万事屋まで送ってくよ」



そう言って私達は万事屋への道を歩き始めた。




　

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