ep229 ページ32
玄関の戸に映るアフロ頭。
「えーっと、Aさん……一応確認なんですけどアレって……」
恐る恐る指差した新八君に、
「アフ狼隊長です」
そう答えれば……
ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン
インターフォンを連打する斎藤隊長。
え、もしかして早速ヅラを葬りに来た…!?
気迫のピンポン連打にこちらは焦りを煽られる。
かたや銀時達は「ヅラを隠せ!」と言って一斉にヅラを隣室へと押し込んだ。
そしてやっと息をついて玄関を見るがそこに斎藤隊長の影は既にない。
「帰ったんですかね」と新八君が呟いた次の瞬間、
バリーーーンッ!!!
背後の窓を突き破って現れたアフ狼。
真選組三番隊隊長、まさかの器物損壊&不法侵入である。
そして万事屋のあらゆる扉を開けては閉め、開けては閉めを続ける斎藤隊長。
万事屋の中を歩き回っては扉という扉全てを開け放っていく。
やっぱり、ヅラを探して――……
と思ったそのとき、銀時が木刀片手に斎藤隊長に言った。
「人様ん家勝手に上がりこんで好き勝手するってんならコッチもそれなりの対応はさせてもらうぞ」
一触即発の雰囲気を漂わせる2人。
……こういう時私はどっちの味方をするべきなんだろうか?
いや、とりあえずはこの空気をなだめるしかない。
「まぁまぁお二人さん落ち着いて」
と間に入った私の横を斎藤隊長はすごい形相で走り去ってその先の扉をあけて駆け込んだ。
廊下は沈黙。
「……銀時、ちなみにあの扉の先は?」
「便所だ」
そっか便所か……へぇ〜……
「じゃねぇよ!!」
思わず突っ込んだ私の隣を、用を足した後の斎藤隊長は何事も無かったかのように通り過ぎていき……
玄関でぺこりと頭を下げると出て行った。
「いや、うんこしに来ただけかよ!!」
「どんだけ無口なの!?どんだけ漏れる寸前だったの!?」
正当すぎる銀時と新八君のツッコミにさすがの私も同意せざるを得ない。
「ほんと、あの人のことはまったくわからない」
そこへ
「残していったのはうんこの残り香だけじゃないアル」
そう言って神楽ちゃんが一通の手紙を差し出す。
そこには万事屋に依頼を頼みたいとの斎藤隊長からの文面が綴られていた。
うわぁ、めんどくさそうな気しかしない。
巻き込まれる前にヅラ連れて帰るか……とヅラに声をかけようとしたが……
「あれ、いない?」
ヅラは万事屋からいなくなっていた。
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壊(プロフ) - ギラッフェさん» 了解しました! (11月27日 20時) (レス) id: 701fbdee56 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - 壊さん» ご指摘ありがとうございます。確かにおっしゃる通りですね!その他誤字脱字含め見逃し多々あると思いますがふわ〜っと解釈しといていただけると助かります笑 (11月27日 20時) (レス) id: 245a809416 (このIDを非表示/違反報告)
壊(プロフ) - ep241の「今度の新作抹茶パフェ明日奢ってやるから」なんですが、明日に奢るのなら「今日」「昨日」「この前」の方が文章的に分かりやすい思います。 (11月27日 19時) (レス) @page45 id: 701fbdee56 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - Rさん» コメントありがとうございます。シリーズ開始から読んでくださってるんですね!すごく嬉しいです!いよいよ将軍暗殺篇を迎えて私自身、感慨深いです。これからも末長くよろしくお願いします。 (2020年8月27日 22時) (レス) id: c665168944 (このIDを非表示/違反報告)
R - はじめまして。こちらのシリーズが始まった頃から読ませていただいてます。大好きな将軍暗殺篇に入っていたので、思わずコメントさせていただきました。沢山の小説がありますが、一番と言っていいほどこちらのシリーズが大好きです。これからも楽しみにしています。 (2020年8月27日 19時) (レス) id: f5157b02c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ギラッフェ | 作成日時:2020年5月14日 14時