ep215 ページ18
「で、その商いとやらは何やってんの?」
「なんでもやってるよ〜金魚すくいも射的も」
「ふーん」
んーでもやっぱ怪しい感じ否めない…なんて思っていると懐の携帯が鳴る。
別行動中の副長からかと思って見れば、予想はハズレ。
はぁ……と大きな溜息を吐けば、「仕事か?」と尋ねる銀時。
「まぁね……ほんと、こんな時まで呼び出さないでほしい」
と愚痴をこぼしながら
「せいぜい儲かるように祈っとくよ」と言って銀時の店を去った。
再び携帯を開いた私は、メールに添付された地図を開いて指定の場所へと向かう。
出店の並びを抜け、人混みの間を縫うように歩いてやっと喧騒から遠ざかったそこには
「よぉばなっちゃん」
ひらりひらりと手を振る松平長官がいた。
「祭りの日くらい遊ばせてくれませんかねぇ」とぼやきながらも、促されるまま車に乗り込む。
「で、ご用件は?」
と問いながらまだ残っている焼きそばを食べる。
わざわざ真選組も出払って私が単独行動しても目立たない今夜を密会に選んだんだ。
それはそれは重要なお話でもあるのだろうと思っていれば
「そろそろ例の件、始動させるつもりだからばなっちゃんの手を借りてぇんだが」
例の件……ね。
「勿論ですよ。その為に雇われたようなものじゃないですか」
私がそう言えば安心したように息を吐き出す長官。この件に関してはさすがの長官もへらへらとはしていられないようだ。
まぁ、当たり前か。
「先方がばなっちゃんと直接話してぇみたいだから近日中にあっちに足運べるか?」
「えぇ、問題ないと思います」
「ばなっちゃんもあっちの地形とか直接の頭に叩き込んどきたいだろ?」
「そうですね。局長達はもう長官と私の契約について知ってますし、数日中には伺えるかと」
スケジュールを確認しつつ、そう答える。
「じゃあ、頼んだ」
事の重大さの割にはあっさりとした長官の態度。
しかしそれがかえって、緊張を感じさせる。
絶対に失敗してはならないということをまざまざと感じさせる。
「では失礼します」
そう言って私は長官の車から降りた。
しばらくして車はその場を走り去って行く。
私はそれを見送りながら、すっかり冷めてしまった焼きそばをパクリと頬張った。
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壊(プロフ) - ギラッフェさん» 了解しました! (11月27日 20時) (レス) id: 701fbdee56 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - 壊さん» ご指摘ありがとうございます。確かにおっしゃる通りですね!その他誤字脱字含め見逃し多々あると思いますがふわ〜っと解釈しといていただけると助かります笑 (11月27日 20時) (レス) id: 245a809416 (このIDを非表示/違反報告)
壊(プロフ) - ep241の「今度の新作抹茶パフェ明日奢ってやるから」なんですが、明日に奢るのなら「今日」「昨日」「この前」の方が文章的に分かりやすい思います。 (11月27日 19時) (レス) @page45 id: 701fbdee56 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - Rさん» コメントありがとうございます。シリーズ開始から読んでくださってるんですね!すごく嬉しいです!いよいよ将軍暗殺篇を迎えて私自身、感慨深いです。これからも末長くよろしくお願いします。 (2020年8月27日 22時) (レス) id: c665168944 (このIDを非表示/違反報告)
R - はじめまして。こちらのシリーズが始まった頃から読ませていただいてます。大好きな将軍暗殺篇に入っていたので、思わずコメントさせていただきました。沢山の小説がありますが、一番と言っていいほどこちらのシリーズが大好きです。これからも楽しみにしています。 (2020年8月27日 19時) (レス) id: f5157b02c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ギラッフェ | 作成日時:2020年5月14日 14時