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ep190 ページ43

さっきまで隠れていた月が雲の切れ間から顔を出す。辺りが明るくなるのを感じて私は縁側から外へ出た。


「もう帰るんですか?」

そんな私を見て尋ねる黒子野君。


「今の職場、門限が厳しくてね。あぁそうそう、ヅラと辰馬は縄解いて元の部屋に転がしとけばいいから」

「そこは丸投げですか」


私は「まぁまぁ、そう言わず…」と笑いながら振り返る。


「それと、ちょっと銀時に付き合ってやって。歩狩汗でも片手にさ」


「えぇ、喜んで」



 


微笑んだ彼に「じゃあ」と言って別れた。


店を出てふと空を見上げれば、月はまだ燦々と輝いていた。夜は更けきって辺りは人っ子一人いない。




……さて、帰るか。



道端に転がっていた小石を蹴飛ばしつつ、進む帰り道。まるで小学生みたいだ、なんて思いながら歩く。


美味しいお酒と料理を味わうはずが、なんだってこんなことになったんだっけね。

ふふ、と思い返して笑いを漏らせば




コツ…


つま先に小石がぶつかる。

今度は出来るだけ遠くに蹴飛ばして、また歩き出す。



……面白かったな、武市さんもまた子ちゃんも。

今回の件、晋助自身が関わってたらこうはいかなかった。

晋助が本当に銀時達を消したいと思ったのならそれが失敗した場合の報復まで準備されてる筈だ。
それと真っ向勝負する羽目になっていたらさすがに不味かった。


高杉晋助という男は、やるからにはそこまでやる男だ。
それ故に今回の件は無関係だとわかった。


それに、

晋助が攘夷四天王を消そうと言うのなら、私だってその標的に違いないのだから――――。





コツン…


ふと俯けば足元に小石。



「あれ、もうそんなに歩いたか」


まあ何はともあれあの2人の独断でよかったということだ。

笑顔でそう結論づけ、また小石を蹴飛ばした。




それにしても鬼兵隊、結構楽しそうだったな。自称フェミニストのロリコンは勿論のこと、なかなかの個性派揃いだし。


彼等はそれこそ晋助のお眼鏡にかなって今の鬼兵隊にいるわけだが……

たしかにああいう人間は面白くってそばに置いておきたくなるのも分かる。実力も伴っているとなればなおさら。


今の晋助があるのはきっとそういう彼等の――つまりは今の鬼兵隊のお陰なんだろう。



そう思ってふと立ち止まった。






――……今の晋助、か……。





 

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ギラッフェ(プロフ) - 腐った女子さん» コメントありがとうございます!そう言っていただけてすごく嬉しいです!励みにさせていただきますね!! (2020年5月30日 15時) (レス) id: 7540e8ed1b (このIDを非表示/違反報告)
腐った女子 - いつもこれが更新されるのを励みにしてます(笑) 更新頑張って下さい! (2020年5月30日 1時) (レス) id: 59a5a46759 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - 水神の狐さん» コメントありがとうございます!この回、性転換回というより野糞回だな…と個人的には思ってます笑笑 これからもよろしくお願いします! (2020年5月1日 23時) (レス) id: 7540e8ed1b (このIDを非表示/違反報告)
水神の狐(プロフ) - 安心と納得の野糞wwwめちゃめちゃすきです!!これからも更新頑張ってください! (2020年5月1日 18時) (レス) id: 5a6fe00bf5 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - ジャスタウェイさん» ありがとうございます!もうお名前からして同志って感じで嬉しいです!これからも宜しくおねがいします! (2020年4月13日 16時) (レス) id: 7540e8ed1b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ギラッフェ | 作成日時:2019年9月17日 19時

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