ep188 ページ41
「あれ、こんな簡単に落ちるのか……」
気絶した銀時を見て「ちぇ、つまんないの……」と唇を尖らせれば
「本当にただの野次馬ッスね。白夜叉が倒れてなんか思わないんスか?」
なんか——つまり、心配とかってことだろうか。
また子ちゃんは訝しむように、でもそれと同時にちょっとの軽蔑のようなものを混ぜ合わせて尋ねた。
昔のとは言え、紛いなりにも仲間だった人間。
それが3人も殺されかけているのにその状況を傍観する私は確かに正真正銘、ろくでなしだろう。
でもその問いの答えは1つ。
「特に何も思わないね。その必要は無いから」
「……そうッスか」
また子ちゃんは少し失望でもしたかのような表情でモニターに向き直った。
出会って間もないが、彼女の性格はなんとなく見て取れた。晋助思いで、曲がった事が嫌いないい子だ。
かつて攘夷四天王を率いた人間がこんなろくでなしで申し訳ないと言えばそうだが、まぁそれとこれとは別問題。
「ちょっと確認なんだけどさ、この件について晋助は知ってるの?」
それとなく尋ねれば「……ぇ、えっと……」と視線をそらすまた子ちゃん。
おそらく武市さんと彼女の独断だろう、とは思っていだがその通りだったらしい。
「そっか、なら都合がいい」
モニターを眺めつつ私はニヤリとした。
次の瞬間――――
カンカンカンカン――ッ……!!
小気味好い缶の音が響き、モニターの向こう側で黒子野達がバタリと倒れた。
「な!?」
一方、倒れていたはずの銀時はゆっくりと立ち上がる。
私はそれを見届けてからまた子ちゃんを振り返った。
「ほら、“なんか”思う必要なんてなかったでしょ?」
『悪かったな、黒子野。思い出したよ……。
手前のこと忘れてくれなんて言う奴が化けてまで俺達の前に現れるなんざ……誇りにかけてねぇよな』
何が起こったか分からないまた子ちゃんを射抜くように監視カメラに向かって言う銀時。
その瞬間、私達の背後にいた鬼兵隊員達が次々と倒れていった。
そしてまた子ちゃんがハッと息を飲むのと同時に鋭い刀が突き出される。
「残念。缶蹴られちゃいましたね。これで人質は皆解放です。
貴女もさっさと仲間を連れて逃げなさい。僕が本当の鬼になる前に――――」
懐かしい声と共に。
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ギラッフェ(プロフ) - 腐った女子さん» コメントありがとうございます!そう言っていただけてすごく嬉しいです!励みにさせていただきますね!! (2020年5月30日 15時) (レス) id: 7540e8ed1b (このIDを非表示/違反報告)
腐った女子 - いつもこれが更新されるのを励みにしてます(笑) 更新頑張って下さい! (2020年5月30日 1時) (レス) id: 59a5a46759 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - 水神の狐さん» コメントありがとうございます!この回、性転換回というより野糞回だな…と個人的には思ってます笑笑 これからもよろしくお願いします! (2020年5月1日 23時) (レス) id: 7540e8ed1b (このIDを非表示/違反報告)
水神の狐(プロフ) - 安心と納得の野糞wwwめちゃめちゃすきです!!これからも更新頑張ってください! (2020年5月1日 18時) (レス) id: 5a6fe00bf5 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - ジャスタウェイさん» ありがとうございます!もうお名前からして同志って感じで嬉しいです!これからも宜しくおねがいします! (2020年4月13日 16時) (レス) id: 7540e8ed1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ギラッフェ | 作成日時:2019年9月17日 19時