ep183 ページ36
机の上の歩狩汗の缶をまじまじと見つめながら、銀時は確かめるように尋ねた。
「……あの時、何してる途中だったんだっけ?」
「缶蹴りじゃな」
「じゃあ高杉が爆破した本堂でカウント数えてたのは?」
「黒子野だな」
訪れる沈黙。
「そうか……。俺達は忘れてなどいなかったのだ。
ただ封じ込めていただけなのだ――合戦の最中、仲間を爆殺してしまった忌まわしい記憶を……」
「え……なに……つまり黒子野はとっくに死んでたってことか?」
顔をヒクつかせて尋ねる銀時。
「いや、ありえねぇよ……だってさ、じゃあさ。
あの手紙は誰が送ってきたんだよ……俺達は、一体誰に集められたんだよ……」
それを考えてはいけないと思いながらも、銀時はその疑問を口にした。
そして桂は答える。
「あいつはまだ缶蹴りを続けているのかもしれない。自分が死んだことも気付かず、文字通り本当の鬼になって……」
その言葉にあひェェ…とろくでもない声を出しながら白目を剥く銀時。
「お、ぉお、おい、参謀!お前の頭脳ならこの状況、理解できてんだろ!!なんか言えよ!!」
必死の思いでAにすがりつくが、いまいち反応が薄い。
怪訝に思って肩を揺すったその時――
ドサッ――――
頬杖をついていたAは力無く床に倒れこんだ。
「キェェェエエエエェ!!!し、し、死んでるーー!!!」
と叫び散らす銀時に
「いや、寝てるだけだ。回想シーンが少々長過ぎたらしい」
至って冷静に返す桂。
「いつぐらいから眠りこけとったんじゃ?」
「高杉が貴様の尻にヤクルコ刀をブッ刺したあたりの話だったか……」
「めちゃくちゃ序盤じゃの」
そんなことを言いながら「てか幽霊が同窓会とか、んなわけないよなー!」的な空気になっていく桂と坂本。
取り残される銀時。
「とりあえずこれで1次会は爆発トークで乗り切れるぜよ!」
「そうだな!!では俺は黒子野が来る前に用でも足しておこう」
そう言って部屋から出て行った桂を見送る余裕もなく、銀時の頭は嫌な方にばかりくるくると回る。
そんなわけない、幽霊が同窓会を開くだなんて……と自分に言い聞かせていた最中だった。
突如――
「ぎゃあああああ!!!」
聞いたこともないような桂の声が響き渡った。
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ギラッフェ(プロフ) - 腐った女子さん» コメントありがとうございます!そう言っていただけてすごく嬉しいです!励みにさせていただきますね!! (2020年5月30日 15時) (レス) id: 7540e8ed1b (このIDを非表示/違反報告)
腐った女子 - いつもこれが更新されるのを励みにしてます(笑) 更新頑張って下さい! (2020年5月30日 1時) (レス) id: 59a5a46759 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - 水神の狐さん» コメントありがとうございます!この回、性転換回というより野糞回だな…と個人的には思ってます笑笑 これからもよろしくお願いします! (2020年5月1日 23時) (レス) id: 7540e8ed1b (このIDを非表示/違反報告)
水神の狐(プロフ) - 安心と納得の野糞wwwめちゃめちゃすきです!!これからも更新頑張ってください! (2020年5月1日 18時) (レス) id: 5a6fe00bf5 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - ジャスタウェイさん» ありがとうございます!もうお名前からして同志って感じで嬉しいです!これからも宜しくおねがいします! (2020年4月13日 16時) (レス) id: 7540e8ed1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ギラッフェ | 作成日時:2019年9月17日 19時