ep182 ページ35
「まったく……奴等、どうかしているぞ。こんな時に……」
そんなことを言いつつも、桂は頭に小枝をくくりつけてやる気満々の様子。
寺の本堂からは黒子野の生真面目なカウントが聞こえてくる。
「まぁ、たまにはいいじゃろ」
と返した辰馬の方を振り返ろうとして、人影に気がついた桂。
「なにをしているんだあの負傷兵達は……?」
「門の警備じゃろ」
包帯で頭をぐるぐる巻きにしているわりにはピンピンとしてあたりを伺う2人の男。
「いや、ちと様子が……」
おかしい……と言おうとしたその時、男達は門の錠に手をかけた。
「まさか――!!」
瞬間、桂は悟る。
「敵の間者だ!!」
それと同時に雄叫びが響き渡り、山道から敵兵が進軍してくる。
「一気に攻め落とせ!!」
「一兵たりとも逃すなァァァァ!!」
勢いよく山門をくぐり抜けた敵兵達は本殿を前に突如、足を止めた。
「あれ……敵兵が、いない……?」
その時、動揺した敵兵の傍らから銀時と高杉が現れた。
「俺達に奇襲仕掛けるなんざ」
「100年早ぇ」
そして高杉は持っていたスイッチを押した。
ドゴォォォ――!!
次の瞬間、寺の本堂が爆破され熱風と粉塵が敵兵を襲う。
脱兎の如く逃げ出した敵を見て銀時は言った。
「仲間は全員裏門から逃がしておいた」
「貴様ら、まさか間者をあぶり出すためわざと隙を……」
目を見開く桂に高杉は言う。
「ヅラ、畳み掛けるなら今だ」
「今度は動くな、なんて言わねーよな?」
まるで鬼ごっこ前の子供のように瞳を光らせる2人。
桂は呆れたように笑うと言った。
「あぁ、思う存分暴れてやれ!!」
と、刀を抜いて敵陣へと飛び込んでいく彼等をAは離れた裏門の屋根から眺めていた。
「なーにが『仲間は逃がしておいた』だよ。嘘つけ、こっちは私に丸投げしたくせに」
唇を尖らせて拗ねる。
「橘参謀!全員、避難し終わりました!」
「おっけー。じゃあ私達も避難しましょーか」
兵の報告を聞いて屋根から飛び降りたAは、ぐいっと伸びをしながらその場を後にした。
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ギラッフェ(プロフ) - 腐った女子さん» コメントありがとうございます!そう言っていただけてすごく嬉しいです!励みにさせていただきますね!! (2020年5月30日 15時) (レス) id: 7540e8ed1b (このIDを非表示/違反報告)
腐った女子 - いつもこれが更新されるのを励みにしてます(笑) 更新頑張って下さい! (2020年5月30日 1時) (レス) id: 59a5a46759 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - 水神の狐さん» コメントありがとうございます!この回、性転換回というより野糞回だな…と個人的には思ってます笑笑 これからもよろしくお願いします! (2020年5月1日 23時) (レス) id: 7540e8ed1b (このIDを非表示/違反報告)
水神の狐(プロフ) - 安心と納得の野糞wwwめちゃめちゃすきです!!これからも更新頑張ってください! (2020年5月1日 18時) (レス) id: 5a6fe00bf5 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - ジャスタウェイさん» ありがとうございます!もうお名前からして同志って感じで嬉しいです!これからも宜しくおねがいします! (2020年4月13日 16時) (レス) id: 7540e8ed1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ギラッフェ | 作成日時:2019年9月17日 19時