ep150 ページ3
心地良く揺れる車内で私はパソコンを叩き続ける。それをじっと見ながら黙り続ける将軍様と長官。
「別に喋ってもらって構いませんけど」
液晶から顔を上げずにそう言えば「いや、いい」と返された。
なら、どことなく居た堪れないこの空気をどうにかしてくれ……と思いながらもキーボードを叩く指は止めない。
「ところで、各警察組織への伝達は出来たんですか?」
「……あァ。全部が全部動くとは限らねぇけどな」
「動かないってんなら無理にでも引っ張り出します」
狸ジジイの私兵相手には頭数だけでもあるだけ欲しい。
インカムから察するに銀時達はまだ本丸に辿り着けてない。あと20分はある。その間に掻き集められるだけ掻き集める。
そのためにはまずあの“鬼”を引きずり出して来なきゃならないわけだが……。
「あ、出た」
長官と落ち合ってから暫く……
私はやっとパソコンとの睨めっこを打ち切ることが出来た。
目頭を押さえて疲れ切った目をほぐしつつ、溜息を吐く。
「出たって……何がだァ?」
するとタイミングを見計らったように長官が尋ねた。
「佐々木局長の入院先ですよ」
狸ジジイの監視下から逃れるためにかなりの情報規制敷いて入院先を隠し込んだらしい。お陰で探し出すのに苦労した。
「長官、ここの病院に向かって下さい」
割り出した病院の住所を書き殴って渡す。一方の私は携帯で佐々木局長の番号を呼び出した。
「どうも佐々木局長。橘です。お怪我の具合はどうですか?」
呼び出し音の後、そう言った私に
《……貴女ですか》
と溜息交じりに返ってくる声。
「災難でしたね。ところで病み上がりに申し訳ありませんが……」
《本当に気遣いもヘッタクレもありませんね》
生憎、気遣いもヘッタクレもしてる暇はない。
大方の現状を伝えて作戦の大枠を語った。
「というわけなんですが、やってくれますね?」
《致し方ありません。ですが怪我人を動員してまでやるからには負けは認めませんよ》
「勿論です。……では10分後、病院の前にお迎えにあがります」
そう言って通話を切った。
1108人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ギラッフェ(プロフ) - 腐った女子さん» コメントありがとうございます!そう言っていただけてすごく嬉しいです!励みにさせていただきますね!! (2020年5月30日 15時) (レス) id: 7540e8ed1b (このIDを非表示/違反報告)
腐った女子 - いつもこれが更新されるのを励みにしてます(笑) 更新頑張って下さい! (2020年5月30日 1時) (レス) id: 59a5a46759 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - 水神の狐さん» コメントありがとうございます!この回、性転換回というより野糞回だな…と個人的には思ってます笑笑 これからもよろしくお願いします! (2020年5月1日 23時) (レス) id: 7540e8ed1b (このIDを非表示/違反報告)
水神の狐(プロフ) - 安心と納得の野糞wwwめちゃめちゃすきです!!これからも更新頑張ってください! (2020年5月1日 18時) (レス) id: 5a6fe00bf5 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - ジャスタウェイさん» ありがとうございます!もうお名前からして同志って感じで嬉しいです!これからも宜しくおねがいします! (2020年4月13日 16時) (レス) id: 7540e8ed1b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ギラッフェ | 作成日時:2019年9月17日 19時