ep157 ページ10
「ぅ、上様……な、何故このような所にっ!?」
狼狽する兵達に毅然として命じる将軍。
「全員、武器を収めよ。くだらん争いはここまでだ。
其方達もいつかは国を守る兵ぞ。その命、みだりに散らすことは許さん」
「しかし、これは……定々様の御命令で――」
だがそう言って渋る兵達に鋭く言い放った。
「聞こえなかったか。武器を捨てよと申しておる」
それを聞いて一人……また一人と武器を手放していく兵達。
それを確認してAはインカムに意識をやった。
「銀時、あとどれくらいかかる?」
《あ"ぁーあと10分》
江戸城の上階へと駆け上がっている銀時は荒い呼吸とともにそう答えた。
すると……
「分かった。じゃあ5分で宜しく」
何でもなくサラリと無茶振りのA。
《人の話を聞けコラァッ!!!》
銀時が思わずそう叫べば、サッとインカムを外して耳から遠ざける。
そして「まぁ、作戦は頭に入ってるだろうから心配してないよ。あとは時間の問題だ」と言いながらインカムを付け直した。
「天導衆の船で狸ジジイがトンズラする前に痛い目見せてやって。将軍様の覚悟を無駄にするわけにはいかないんだから」
《…………松陽の為に、とは言わねぇんだな》
その言葉に一瞬、Aは小さく息を吸った。その一瞬の感情の起伏を目敏く見つけた沖田がちらりとAを探るように見た。
――松陽の為に、か……。
しかしAはふっと笑って答えた。
「まだそれは言えないな……私は真選組の参謀だから」
《……そうか……それ聞いて安心した》
「はいはい、じゃあ安心したところで先を急いでね。あと3分だから」
《息を吸うように人使い荒いな》
互いに笑い乍ら「じゃあ、後で」と言って通信を切った。
「旦那、どうかしたんですかィ?」
「いや、何も。アイツはどうにかするよ。こっちはこっちで片付けよう」
そういうとAは将軍の横に立って言った。
「さぁ将軍様、大詰めです」
1106人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ギラッフェ(プロフ) - 腐った女子さん» コメントありがとうございます!そう言っていただけてすごく嬉しいです!励みにさせていただきますね!! (2020年5月30日 15時) (レス) id: 7540e8ed1b (このIDを非表示/違反報告)
腐った女子 - いつもこれが更新されるのを励みにしてます(笑) 更新頑張って下さい! (2020年5月30日 1時) (レス) id: 59a5a46759 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - 水神の狐さん» コメントありがとうございます!この回、性転換回というより野糞回だな…と個人的には思ってます笑笑 これからもよろしくお願いします! (2020年5月1日 23時) (レス) id: 7540e8ed1b (このIDを非表示/違反報告)
水神の狐(プロフ) - 安心と納得の野糞wwwめちゃめちゃすきです!!これからも更新頑張ってください! (2020年5月1日 18時) (レス) id: 5a6fe00bf5 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - ジャスタウェイさん» ありがとうございます!もうお名前からして同志って感じで嬉しいです!これからも宜しくおねがいします! (2020年4月13日 16時) (レス) id: 7540e8ed1b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ギラッフェ | 作成日時:2019年9月17日 19時