【銀魂】前職：攘夷四天王専属参謀 肆

ep173 ページ26

だが部屋に戻って顔を上げた瞬間、目の前に突如、武市変平太。


「うおっ！」


その圧に思わずのけぞれば、私の腕を取って撫で回しながら饒舌に語り始める彼。


「白くて華奢な腕！美しく切りそろえられた髪！凛とした瞳！あぁ美しい！未だ熟しきらない果実のようなその魅力！！お嬢さん、お名前をおうかがぶゴべらひょッ！！」


鳥肌が立つのと同時に無意識に背負い投げへと移行。

気づけば床には変態がのびていた。




　



「……失礼致しました。よもや成人済みの女性には見えず……」


「あーよく言われます」


知ってるよ……。今の職場でも初対面で未成年と間違われたからね。


「そういえば昔もよく間違われてたなぁ！別に身長低いわけでもないのに不思議じゃな！」

「童顔だからだろ」


「銀時、今度の飲み比べはお登勢さんのとこでお代、お前持ちな」

「なんで俺だけ！？そこのもじゃもじゃも同罪だろ！」

「もとより辰馬にデリカシーは求めてないから」



……てか待って。すっごい脱線してる気がする。なんでこんなにエネルギー使ってんだろ、と考え始めれば思わず目が遠くなる。

それもこれも突如現れた現参謀様のせいっちゃせいなわけで……。



「はぁ……宇宙で仕事してる時も今の鬼兵隊については小耳に挟んでたけどさ……。

よくもまぁ、あの時の隊の名前そっくりそのまま使ってくれたよね」


「あれはオメーが高杉好みの中二病臭い隊名にしたからだろ」



あー……それかー。その可能性否めない。

お陰様で『鬼兵隊』の話を聞く度に胸糞悪いわけだが……。



「はぁ……ちょっとお花摘んでくる」

「便所か！」



わざわざぼやかしたのに辰馬がデカイ声で言い直す。



……はぁ……。



本日何度目かわからない溜息を吐きつつ部屋を出た。





　

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