ep145 ページ48
「もうこのまま処刑されるしかないんですかね……」
牢の中で悲観的になる新八に対し、
「……もはや道は正面突破一択」
Aはその隅で胡座かいて呟く。
「幕府に反旗を翻すならそれなりの痛手は避けられないか……」
浮かんでは消えていく策に思考を巡らす。
――痛手は避けられないにしてもそれを最小限にする。……いや、そうしなければいけないのが私の役目だ。
ぐっと瞼を閉じて考えていたAだが
「士道も通せねぇってんなら、そんな形だけの侍は御免だっ！！」
「その形だけの侍がなきゃ守るモンも守れねぇだろぉが！！」
「その守るべきものが今ここにあるのが分かんねぇのかァッ！！」
騒がしくなる外の様子に段々と眉を寄せたかと思うと
「真選組うっさいッ！！」
プツンと糸が切れたかのように叫んだ。
「いや、貴女も真選組ですけどね？」
生真面目に突っ込む新八にちっと舌打ちして再び目を閉じるA。
その一部始終を見ていた銀時は
「カロリー足りてねぇんだよ、近づかねぇようにしろ。嚙みつかれんぞ」
溜息交じりにそう言った。
「噛み付くって……犬じゃないんですから」
あはは、と笑い飛ばす新八に対し真顔の銀時。
「昔、邪魔した辰馬が髪をむしり取られてた」
「…………。冗談、ですよね？」
だが確かにあの反吐が出るほど綿密な策を、ドーナツたった1つのカロリーで考えられるかと言えばそれは無理な話だった。
「マジで気をつけろよ」
「……わ、わかりました」
いつになく真に迫る銀時の物言いに始めは笑っていた新八も流石に頷かざるを得なかった。
そこへ……
「あのぅ……」とそよ姫がこっそりと扉を開けて入ってきた。
助けを待ちわびていた面々が手放しで喜ぶが
「1人じゃ寝れなくって……ここで寝てもいいですか？」
屈託のない笑顔でそう言い、せっせと布団を敷き始める彼女に牢の中の彼等は突如、遠くの方を見始める。
「いや、眠れないのは僕達の方なんですけど……」
新八がそう言うと、ならばと爺やのつまらない話を始めた姫。始めこそ聞き耳半分だった銀時達も段々とその話の雲行きに耳を傾け始める。
どこか聞き覚えのある話に行き当たったところで
「姫様……そろそろ牢の鍵を開けていただけませんか？」
牢の面々はおもむろに立ち上がった。
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ギラッフェ(プロフ) - AISさん» コメントありがとうございます！心臓刺激できたようでよかったです笑 これからも宜しくお願いします！ (2021年3月24日 23時) (
レス) id: d3f370a12a (このIDを非表示/違反報告)
AIS(プロフ) - 橘ちゃんのキャラと能力がどストライク過ぎました。（真顔ゲンドウポーズ）銀さん「ったく、もうちったぁ俺の相手しろよ……。薄情なやつだな」AIS「おっ？君ツンデレか？？ならば良し」。ワタクシの心臓を刺激しましたねハイ。更新頑張ってください！応援してます！ (2021年3月22日 0時) (レス) id: 2a56ff43b4 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - なまたまごさん» 尊敬だなんでとんでもないです！ただたた銀魂が好きなだけです笑 なまたまごさんもがんばって下さい！ (2019年6月24日 20時) (レス) id: ea51419cd6 (このIDを非表示/違反報告)
なまたまご(プロフ) - すごく面白いです…！同じ作者として尊敬します。これからも頑張ってください！！ (2019年6月24日 0時) (レス) id: b5ac9a2789 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - Nightさん» 応援ありがとうございます！！ぜひぜひ楽しみにしてて下さると嬉しいです。がんばります！！ (2019年6月23日 11時) (レス) id: ea51419cd6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ギラッフェ
| 作成日時：2019年4月19日 7時
