ep144 ページ47
―no side―
今回の幕府重鎮暗殺といい、佐々木異三郎が刺されたことといい……何か臭う。
近頃の騒動に違和感を抱く土方はそう思いながら牢に続く戸に触れた。
「ったく、こんな時に限ってウチの参謀は有給休暇だしよぉ……」
「まあ詳しいことは賊を洗えば分かるさ」
そう言う近藤と共に戸を押し開いた瞬間――
「局長、副長……お勤めご苦労様でーす!」
「ああ!近藤くーん、土方くーん!こんなとこで会えるなんて奇遇だねぇ〜!ちょっとお話ししたいことがあるんだけどぉ〜!」
反射的にその戸を再び閉めた。
「駄目だ、ありゃ。よりにもよって洗っても落ちねぇ頑固汚れだ」
腐れポリ公だのなんだのと言う扉越しの罵詈雑言を聞き流しながら2人は事情聴取を完全に諦めた。
「さぁ帰るか……」なんて言って歩き出して数歩。
「「いやいやいやいやいや」」
2人は頭を抱えながら髪を振り乱し、そして顔を合わせた。
「なんか身内がいたんですけどぉっ!?」
「いやいやいやきっと気のせいだ。気のせいに違いない……だっておかしいだろ。今アイツは有給休暇中で……」
有給休暇を与えた筈の参謀が江戸城で牢屋に入れられている――――
現状理解が出来ないまま未だ頭を抱える2人に対し牢の中では
「流石に今回ばかりは相手が悪かったようで」
沖田が捕まった面々を前にパイプ椅子に腰掛けていた。
「てかなんでAさんがいるんですかィ?」
スッとAの方を見て首を傾げる沖田だが、その目には疑念が滲んでいた。
「んー……強いて言うなら成り行き?」
しかしそれに気付きつつも敢えて撒こうとする参謀に沖田も諦めたのか「……そうですかィ」と流し去る。
そして
「あれおっかしいなぁ?なんで賊の中にエリート様がいるんですかィ?」
標的を変えた。それに思わず苦笑を漏らすA。
最早賞賛に値するような下衆顔の沖田は
「あぁ、そっかぁ〜お前んトコ潰れたんだっけェ?」
ドーナツを頬張りながらそう言う。それに対し信女は……
「ポンデリング寄越せェェェエエ!!!」
血走った目で沖田の頭を鷲掴みにした。
「そっちかよッ!!!」
何人かがそう突っ込む中、ドーナツを強奪した信女と神楽はそれらを貪り食う。
Aは床で完全に伸びた沖田を見ながらドーナツを1つかっぱらい…
「さぁて、そろそろ真面目に考えるかな」
そう言った。
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ギラッフェ(プロフ) - AISさん» コメントありがとうございます!心臓刺激できたようでよかったです笑 これからも宜しくお願いします! (2021年3月24日 23時) (レス) id: d3f370a12a (このIDを非表示/違反報告)
AIS(プロフ) - 橘ちゃんのキャラと能力がどストライク過ぎました。(真顔ゲンドウポーズ)銀さん「ったく、もうちったぁ俺の相手しろよ……。薄情なやつだな」AIS「おっ?君ツンデレか??ならば良し」。ワタクシの心臓を刺激しましたねハイ。更新頑張ってください!応援してます! (2021年3月22日 0時) (レス) id: 2a56ff43b4 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - なまたまごさん» 尊敬だなんでとんでもないです!ただたた銀魂が好きなだけです笑 なまたまごさんもがんばって下さい! (2019年6月24日 20時) (レス) id: ea51419cd6 (このIDを非表示/違反報告)
なまたまご(プロフ) - すごく面白いです…!同じ作者として尊敬します。これからも頑張ってください!! (2019年6月24日 0時) (レス) id: b5ac9a2789 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - Nightさん» 応援ありがとうございます!!ぜひぜひ楽しみにしてて下さると嬉しいです。がんばります!! (2019年6月23日 11時) (レス) id: ea51419cd6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ギラッフェ | 作成日時:2019年4月19日 7時