ep143 ページ46
「へぇ……佐々木局長がねぇ……」
傾城に関わるな、狸ジジイは見廻組に任せろ――
本当にそう言ったのだとしたら彼も今回の暗殺事件の黒幕が定々だということに気付いていたということになる。
つまり殿中守護の任と称して秘密裏にその証拠を探していたという可能性が高い。
考えてることは長官も佐々木局長も同じだったということか。
しかし佐々木局長が刺され、私が投獄された時点でそれは失策に終わった。
「さぁて困った困った。どーしよーかねー」
「もうちょっと真面目に考えろよエセ参謀」
文句を言う銀時に「五月蝿い」と返しながらふと天井を見上げた。
「要はどうやって定々に自分の罪を認めさせて牢屋にブチ込んでやるかって話だ。……うーむ」
そう言って脳細胞を働かせ、考え込む。
逃げるだけじゃ指名手配されて終わり、長官を頼っても流石に定々相手じゃ分が悪い。
仕留めるなら一度で急所を突かないとこちらが消される……。
「……んー……正面突破しかないか……」
などと考えながらぶつぶつ言っていると
「それよりまずはここから出る方法を考えた方がいいんじゃ……」
新八君がそう言う。それに対して私は「あぁ、それならもうあるから大丈夫」とあっけらかんとして返す。
「えっ!? どうやってですか!?」
「ん?どうやってって言うか……これから来る人達頼み?」
イマイチ理解出来ていない皆に私は「考えてみよう」と人差し指を立てた。
「見廻組の失態で殿中守護の任がガラ空きになってしまった訳ですが、そのままにしておくでしょうか?」
「……そうはいきませんよね」
そう。江戸城の守りをガラ空きにしておくわけにはいかない。
つまり、見廻組の後任が必ず必要になる。
「では、その後任は誰が務めるでしょうか?」
徳川定々に関する今のゴタゴタを知らない幕府にとって都合のいい組織。
見廻組に匹敵し、殿中を守るに足る組織。
それらの条件に当てはまるのは……
「……まさか……」
新八君がそう息を飲んだ時、タイミングよく牢屋に続く大きな木扉が開く。私はその先に立つ見慣れた黒服に満面の笑みで笑いかけた。
「局長、副長……お勤めご苦労様でーす!」
1160人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ギラッフェ(プロフ) - AISさん» コメントありがとうございます!心臓刺激できたようでよかったです笑 これからも宜しくお願いします! (2021年3月24日 23時) (レス) id: d3f370a12a (このIDを非表示/違反報告)
AIS(プロフ) - 橘ちゃんのキャラと能力がどストライク過ぎました。(真顔ゲンドウポーズ)銀さん「ったく、もうちったぁ俺の相手しろよ……。薄情なやつだな」AIS「おっ?君ツンデレか??ならば良し」。ワタクシの心臓を刺激しましたねハイ。更新頑張ってください!応援してます! (2021年3月22日 0時) (レス) id: 2a56ff43b4 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - なまたまごさん» 尊敬だなんでとんでもないです!ただたた銀魂が好きなだけです笑 なまたまごさんもがんばって下さい! (2019年6月24日 20時) (レス) id: ea51419cd6 (このIDを非表示/違反報告)
なまたまご(プロフ) - すごく面白いです…!同じ作者として尊敬します。これからも頑張ってください!! (2019年6月24日 0時) (レス) id: b5ac9a2789 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - Nightさん» 応援ありがとうございます!!ぜひぜひ楽しみにしてて下さると嬉しいです。がんばります!! (2019年6月23日 11時) (レス) id: ea51419cd6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ギラッフェ | 作成日時:2019年4月19日 7時