【銀魂】前職：攘夷四天王専属参謀 参

ep98 ページ1

「……で、何してんですか局長」


歌舞伎町のど真ん中で四つん這いになった局長を見下ろしつつ一言。


「俺は局長じゃない……ISAOだ」


どうしよう……局長がアホなことしか伝わってこない。
休憩中に通報が入ったから来てみれば原因、自分の上司でした——……うん、厄日だな。

途方に暮れつつ溜息を吐けば、珍妙なコスプレ軍団が視界に入った。


「てか君達も何してるのさ？小学生のお遊戯会？」

ホストやら警官やら天使やらに扮する銀時達をじとりと見ながら腕を組んで尋ねる。
そんな私の横では副長と沖田君がテキパキと銀時達に手錠をかけていく。


「少なくとも君は混ざっちゃアカンでしょ、新八君」


「いや……実は――――」



そう言ってここまでの経緯を話し始めた彼。なるほどね……わからなくもないと思いながら気づけば件のホストクラブにいた。



「私はお客さんを捕まえて来てくださいと言ったんですが……なぜ貴方達が警察に捕まってるんですか……」


素晴らしい正当ツッコミ。その通りです狂死郎さん。


「頼んだ相手が悪かったんですよ」と私が言えば

「まぁ、それはかなり思ってました」

だよね……な回答が返ってきた。



「橘、知り合いだったのか？」

不思議そうに首を傾げる副長に「まぁ、歌舞伎町は狭いですから」と笑う。


私が彼と顔見知りなのは例の歌舞伎町四天王騒ぎの一件が色々と絡んではいるが、わざわざ有給までとって真選組に隠れて動いていた以上、副長には誤魔化すしかない。


なんて考えながら店内を見回すと成る程、確かに店員もいなければ客もいない。
そのマダムとやらの影響力は絶大らしい。



不安げな表情をした狂死郎さんを横目に私はそんなことを思っていた。




　

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