ep122 ページ25
両組織の隊士達が固唾を呑む中、佐々木は語り出す。
「警察に課せられた使命は罪を雪ぐ事ではない……罪を裁くことです。
罪を恐れる貴方に人を裁く事はできない。罪人を裁くには罪人以上の咎を負う覚悟が必要なんですよ」
磔にされたまま痛みに顔を歪めることもなく、寧ろ愉快げにそう言う。私はその様子にそぞろ恐ろしいものを感じる。
罪を恐れない自分は罪人を裁くことができる。そしてそれだけの咎を負ってきた。
まるでそう言っているかのような台詞だ。
――……本当、何者なんだあの男。
「私達には誰も救うことなど出来はしません。己を救う権利さえありはしない」
誰も救済なんて出来ない。そう言うなら何故、そんな苦しそうな笑みを浮かべる?
佐々木の表情に辛くなるのは何故か私の方だった。
「歯車はただ回り続けるだけです。もう止められませんよ。…………時間切れです、土方さん」
その時――
佐々木の言葉を合図に廃ビルの屋上へ見廻組の隊士達が雪崩れ込んだ。
その瞬間、突如として私は悟る。
あぁ……クソ。裏をかかれた。
今井信女はこちらの別働隊を廃ビルの左手へ誘導し、最も起動性のある沖田君を足止めする為の囮。
本当の見廻組の別働隊は廃ビルの右手から侵入し、突撃の瞬間を狙っていたのだ。
斬り合いの始まった屋上に駆け上がっていく副長の荒い息が聞きながら唇を噛んだ。
「橘!あと何分ある!!」
《多く見積もって10分です》
私の言葉に「分かった」と頷けば激しい斬り合いの最中へと身を投じた。
白と浪士の中に埋もれる一つの黒。
敵しかいないこの状況で副長が生き残るかどうか、テツを救えるかどうかは私の采配次第だ。
考えろ。
思考を止めるな。
私は大きく息を吸い込んだ。
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ギラッフェ(プロフ) - AISさん» コメントありがとうございます!心臓刺激できたようでよかったです笑 これからも宜しくお願いします! (2021年3月24日 23時) (レス) id: d3f370a12a (このIDを非表示/違反報告)
AIS(プロフ) - 橘ちゃんのキャラと能力がどストライク過ぎました。(真顔ゲンドウポーズ)銀さん「ったく、もうちったぁ俺の相手しろよ……。薄情なやつだな」AIS「おっ?君ツンデレか??ならば良し」。ワタクシの心臓を刺激しましたねハイ。更新頑張ってください!応援してます! (2021年3月22日 0時) (レス) id: 2a56ff43b4 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - なまたまごさん» 尊敬だなんでとんでもないです!ただたた銀魂が好きなだけです笑 なまたまごさんもがんばって下さい! (2019年6月24日 20時) (レス) id: ea51419cd6 (このIDを非表示/違反報告)
なまたまご(プロフ) - すごく面白いです…!同じ作者として尊敬します。これからも頑張ってください!! (2019年6月24日 0時) (レス) id: b5ac9a2789 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - Nightさん» 応援ありがとうございます!!ぜひぜひ楽しみにしてて下さると嬉しいです。がんばります!! (2019年6月23日 11時) (レス) id: ea51419cd6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ギラッフェ | 作成日時:2019年4月19日 7時