【銀魂】前職：攘夷四天王専属参謀 参

ep119 ページ22

《真選組が突入して浪士を制圧出来るのが一番楽な展開なんだけど……》

「それは難しそうですね」


山崎君の言葉に頷く。


《恐らく突入は同時、または見廻組が先でしょう。斬り合いの混乱に乗じてテツをどうにか2人の所に誘導しますので回収をお願いします》


「誘導って……どうやってだ？」


《それは…………その時になったら考えます》


現状じゃ不確定要素が多過ぎて何も言えない。


「取り敢えず俺達はテツがいつ来てもいいように準備しておけばいいんだな」

《その通りです。お願いします》



別働隊が浪士達に気づかれていない以上、こちらにも手はある。

あとは副長が――……

と視線を戻そうとしたその時、インカムから



「「副長ッ！！！」」



隊士達の絶叫が聞こえた。









何事かと見れば、地面に力無く伏せた副長が目に入る。


……限界か。

副長！と口々に叫びながら駆け寄る隊士達を横目に私はパソコンを叩いた。

副長の復活を待つか……


《副長、聞こえてますか？》


そう思って問いかけてみるものの返答は無い。



――……駄目だ、限界だ。


現時点、返答がない時点で副長をこれ以上闘わせれば佐々木に消されかねない。

……クソ、佐々木がここまで頭のキレる奴だとは思わなかった。立案ミスだ。

……あと15分。


「橘参謀！副長が起きません！」

《そんなこと分かってる》


「すぐ手当しねぇと……」

「俺らの隊で副長を病院に連れて行く」


《待って、それは困る》


この状況で1人でも欠けようものなら真選組の負けとテツの救出失敗が確実になる。


「だったらどうしろってんだよ！！」


どうしろって……。そんなの考えるしかないだろ。
襲い来る雑言を受け流しながらパソコンを叩く。

幸いここは人目も無い廃ビル地区だ。テツさえ救えれば後は一目散に逃げたって困った噂は立たない。

問題は逃走経路だ。見廻組は全力で逃げ道を塞いで来るだろう。それを突破するには……


……てかその前に“アレ”が来たら終わりだ。



あぁークソ！



いや、とにかくはテツの救出が先だ。総力戦で制圧か。
すっと息を吸ってインカムを押さえて私は言った。





《作戦変更。真選組総員で浪士の制圧およびテツの救出に向かう》






　

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