ep222 ページ10
—貴女side—
「え？君達知り合い？」
私の勝手な親近感でさん付けで呼んで仕舞ったが初対面だ。
「一方的に存じ上げてるだけです」
彼が今際の際で敦君に情報を託すという選択をしたこと。かつて敦君の無遠慮な眩しさに助けられた私と重ねずにはいられなかった。
もし出会い方さえ違えば言葉を交わす機会もあったのではと思ったのだが……まさかそれがこんな状況下とは。
敦君に情報を託すという裏切りを働いたシグマさんと、台本から外れて生きるという選択肢を取ったゴーゴリ。
この2人と私が一堂に会しているということは
「フョードルを殺すという貴方の台詞、只の法螺ではないようですね」
仮面と反対の瞳がすっと細められた。
ならば善いと、この期に及んでしまえば思う。
ムルソーに外部侵入者が現れれば太宰さんの脱出も容易になるのだから。
「しかし一つ腑に落ちませんね。何故私を連れて行く必要が？」
その問いに「えぇ〜、それを教えたらつまらないじゃないかぁ〜」と駄々を捏ねるゴーゴリ。
そう云いつつ本心では云いたくて堪らないという一連の流れを反復するのにはもう飽きた。
私は脚を組み替え、勝手に憶測し始めることにする。
フョードルを殺す上で最も不確定かつ危険なのは彼の異能だ。ならばそれを知る為の手段を用意する筈……そうか、それがシグマさんの情報を抜き取る異能。
ならば私は——……
「保険ですか」
「見事ッ！大正解だぁ！！」
彼はシルクハットを取ってその中からポンと紙吹雪を湧かせて見せた。……芸が細かい。
つまりシグマさんの異能でフョードルの情報を抜き取るか、私の異能で彼自身に異能を暴露させるか。我々はその為の駒というわけだ。
「驚きですね、傍若無人に見える貴方がそこまで綿密だったとは」
嘲笑混じりに云ったのがお気に召さなかったのか、「じゃあ綿密ついでにもう一つ教えてあげよう」と彼は悪戯な表情をした。
「シグマ君の異能を使えば君から探偵社の作戦を抜き取りドス君に伝えることも出来る。厭なら終始大人しくするよう薦めるよ」
賞賛すら送りたくなる用意周到さ。
「武器すら没収されていないのはそういう理由でしたか」
「知ってるからね、君は1ミリでもそのリスクがあれば行動を慎む
思わず装っていた笑みに亀裂が入った。
「それにレディの服を弄るのは気が引けてね」
その良識は持ち合わせているのか。ほとほと此の人のことが分からない。
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ギラッフェ(プロフ) - うどんさん» いつも作品愛を届けてくださりありがとうございます！原作ファンの一員としてなんとか良いストーリーを！と思っています笑 来たる年もぜひ宜しくお願いします！ (12月31日 0時) (
レス) id: 046a0c810f (このIDを非表示/違反報告)
うどん - 更新されるたびにいつもギラッフェさんにメッセージを送りたいほどギラッフェさんの作品を愛しています!!ギラッフェさんの作品はいつも作品に引き込まれるほどの素晴らしいストーリーだと思います!!原作の展開が予想できず大変だと思いますがこれからも応援しています! (12月28日 23時) (レス) id: b2d2242acf (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - 雪だるまさん» 楽しんでいただけて何よりです！応援いただきありがとうございます！ (12月11日 22時) (レス) id: 608d959404 (このIDを非表示/違反報告)
雪だるま - ストーリーが繋がってきて、楽しいです！頑張ってください！ (12月11日 19時) (レス) @page9 id: 34bbee5856 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - うどんさん» コメントありがとうございます！そう云っていただけるのが何より嬉しいです。是非是非今後ともよろしくお願いします！ (11月24日 18時) (レス) id: 1ed6621db5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ギラッフェ
| 作成日時：2023年11月14日 23時
