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ep220 ページ8

—no side—


《目的はなんですか……?》

街に出掛けたAから入った突然の通信。



《目的?それはね〜》


瞬間、嬉々として答える覚えのある声に探偵社は凍り付いた。


「今の、《天人五衰》の——!」

思わず声をあげた敦をサッと身振りだけで制する鏡花。

「……通信が勘付かれる」と小夜風のような声で云うが、その声には似合わない緊迫した様相を帯びていた。


《つまり貴方の生存はフョードルすら知らないと?》


張り詰めたAの緊張が電波越しに伝わる。

しかしこの状況下で通信を繋ぎ、此方が知るべき情報を聞き出そうとする冷静な判断力——。

彼女自身は面白い顔をしないだろうが、矢張りその根底に流れるのはポートマフィアの血であることを思わせた。


《フョードルの外部との連絡手段は?》

《知らないよ。本来僕は序幕で退場する筈だったんだから!》



だが今回は些か相手が悪かった。何が真で何が偽であるか、道化師相手では読み切れないからだ。



そしてその時、
バキ…と音がして通信が切れた。



与謝野が唇を噛み締める。


「僕が向かいます!今すぐ扉を店に繋げて!」

「えぇ、わかっ——」


「駄目だ」


乱歩の言葉で敦とモンゴメリの動きが止まる。



「助けに行く必要はない」

「……何故——っ……」

「云っただろう、彼女はあくまで鬼札だ」



部屋にしんと冷たい空気が流れた。



「そんな……作戦に支障が無いから見捨てろってことですか?」

「そうだ。反対に此処にいる人間は全員、作戦の主軸だ。誰一人欠けられても闘わずして僕らの負けが確定する」


敦は中途半端に扉に伸ばしていた手を下ろしてぐっと握り締める。


乱歩の台詞は、それが事実だとしても、かの名探偵にその心算が無くとも……

まるでそれじゃあ彼女が居なくても世界は救える、世界は回ると云っているように聞こえた。


Aが最も苦しんでいる“自分が居なくても世界には何の支障も歪みも生まれない”という不安を現実のものにして仕舞う。


「敦、情で動くな。彼女を助けたいと思うのはお前の願望だろう」



だがその思考すら乱歩には見透かされていた。



 

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ギラッフェ(プロフ) - うどんさん» いつも作品愛を届けてくださりありがとうございます!原作ファンの一員としてなんとか良いストーリーを!と思っています笑 来たる年もぜひ宜しくお願いします! (12月31日 0時) (レス) id: 046a0c810f (このIDを非表示/違反報告)
うどん - 更新されるたびにいつもギラッフェさんにメッセージを送りたいほどギラッフェさんの作品を愛しています!!ギラッフェさんの作品はいつも作品に引き込まれるほどの素晴らしいストーリーだと思います!!原作の展開が予想できず大変だと思いますがこれからも応援しています! (12月28日 23時) (レス) id: b2d2242acf (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - 雪だるまさん» 楽しんでいただけて何よりです!応援いただきありがとうございます! (12月11日 22時) (レス) id: 608d959404 (このIDを非表示/違反報告)
雪だるま - ストーリーが繋がってきて、楽しいです!頑張ってください! (12月11日 19時) (レス) @page9 id: 34bbee5856 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - うどんさん» コメントありがとうございます!そう云っていただけるのが何より嬉しいです。是非是非今後ともよろしくお願いします! (11月24日 18時) (レス) id: 1ed6621db5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ギラッフェ | 作成日時:2023年11月14日 23時

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