ep444 ページ47
「なんで……」
銀時の呟きに答えるでもなく、Aは傷一つなくなった高杉の手を取ってじぃと凝視した。
「痛みは感じるの?」
「……あぁ」
聞いた割に「……ふーん」と何の気なしの様子。しかし次の瞬間、
「……はぁ」
それはそれは大きな溜息を一つ溢した。
「なんてバカなことしたんだ、とか言って殴りつけてやろうかと思った」
「……。」
黙り込んだ高杉を見つめながら手を離す。
「でも、まだ何も終わってないのに1人でおちおち死んだりしてたらそれはそれで処してた」
「死んでるのに?」
「うん、死んでるのに。」
やけにゆるい空気感を出し始めるAに、調子が狂った銀時は思わずツッコミを入れてしまう。
「その選択、褒められたもんじゃないけど賛同はしてあげる。よくやった、死に損ない」
悪戯な表情でクイと片方の口角を上げたA。
「はっ……何様だ」と吐き捨てた高杉は相変わらず生気の削げた顔で、しかし少しマシな表情をしていた。
それを見たAは頰を緩めたかと思うと
次の瞬間
ドスッ…!
振り向きざま、銀時の脇腹に渾身のド突きを叩き込んだ。
「い"ってぇ!はァ?え!?なんで!?」
情けない声で涙目になる銀時に「当たり前でしょ」と返す。
「私の見舞いに来なかったばかりか、わざわざ退院前にすたこらさっさ江戸からいなくなったのはどこのどなたでしたっけ??え??」
その圧に押されながらも「
「一緒でしょ〜晋助も斬られたから痛い、銀時もド突かれたから痛い」
「痛いかって確認してたのはそれだったか」
3人を眺めていた桂は愉快そうに笑いながらAの隣に立つ。
「じゃあなんでヅラはお咎めなしなんだよ」
「え……ヅラ話してないの?」
首を傾げるAと、「そんな余裕どこにも無かっただろう」と答える桂。
何の話だ?とイマイチ見えてない銀時と高杉に
「私この2年間、総理大臣——つまりヅラの専属参謀してたから」
衝撃発言。
「……聞いてねぇぞ」
珍しく目くじらを立てた高杉に
「うん、機密事項だからね。表向きは総理の専属参謀なんて存在しないし」
あっけらかんと返す。
まったくこの参謀は相変わらず……と首を振る2人を
「まぁつまりこの国を復興させた立役者は私とヅラってわけ。感謝しろ?」
参謀は満足げに笑ってやった。
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Hi(プロフ) - ぜひ!末永くお待ちしております(*^^*) (2月18日 2時) (レス) id: c9fcf96ef3 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - Hiさん» コメントありがとうございます!わかります、私も原作で涙しました笑 明言はできませんが決して救いも希望もない結末にはしないので完結まで楽しみにしていてくださると嬉しいです (2月17日 21時) (レス) id: 2081f8c6f1 (このIDを非表示/違反報告)
Hi(プロフ) - コメント失礼致します!大変面白く中身もきっちりと構成されていて感動しながら読んでいます(*^^*) 野暮ですが、希望としては高杉晋助が死なない方向がいいなぁと思っています、打たれ弱いので笑笑 (2月17日 15時) (レス) id: c9fcf96ef3 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - りんごジュースさん» コメントありがとうございます!キュンキュンしていただけましたか!とっても嬉しいです(^^) 今後ともよろしくお願いします! (1月31日 0時) (レス) id: 4ad20a9210 (このIDを非表示/違反報告)
りんごジュース - コメント失礼します!主様の作品どれも素敵で一気に読んでしまいました笑笑どのお話もキュンキュンしてました!!これからも陰ながら応援しています! (1月30日 22時) (レス) @page50 id: 81b633d03b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ギラッフェ | 作成日時:2023年9月10日 22時