【銀魂】前職：攘夷四天王専属参謀 玖

ep441 ページ44

「騙してたんはてめェだろうがァァァ！！」


絶叫と同時に心臓追って屋上からダイブする銀時とそれに続くヅラ。


「人聞きの悪いことを言うな！誰があんな悪党と！目的が同じだったゆえ互いを利用したまでだ！」

「悪党はてめェだ！！何が総理大臣だ！国の重要施設爆破して……テロリストやってた頃と何も変わってねぇじゃねェーか！！」


こっちに向かって落ちてくる2人を眺めながら「耳が痛いなぁ〜」なんて思ってしまう。


2年間、あらゆる情報をかき集めて知った教団——星芒教の存在。虚の血を得てほぼ不老不死となった天導衆の残骸達は当然、虚復活に向けて動いていた。

でも奴等がこの国に紛れ込んでくるのを見過ごしてまで今日この日、2人と合流してドンデン返しを狙うと決めたのは私とヅラだ。



「俺は総理大臣になどなった覚えはない！今も昔も……俺はただの吉田松陽の弟子だ！！」


そして肝心のヅラはこう言うもんだから…



「先生の弟子として、お前達の仲間として、恥じぬことをしてきただけだァァ！」



だったらやるしかない。そう決めた。

心臓を持つ銀時と教団を狙う晋助が落ち合えば再び歯車は回り始める。
私とヅラがいくらこの国可愛さに尻込みしたところで、教団も晋助も、待ってくれないのは知ってたから。




「ならあとは指咥えて見てなァ！」

「「そらぁ……てめェだァァァアア！！！」」



刀一振りで奈落を圧倒していく3人の背中。


その光景を見ながら思わず溜息が出た。
一点の曇りもない戦意を燦々と輝かせるあの3人は、昔のやんちゃを取り戻してやりたい放題だ。

でもやっぱり私の憧れた“侍”はあの輪の中で生まれたもの。だから自分の溜息に感嘆と興奮が混じってるのも重々承知。


　

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