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ep439 ページ42

同時多発テロと思われた暗殺とターミナル爆破の不可解な点が一つ一つ噛み合っていく。


「じゃああのテロは何のために、誰が……」


わざわざ爆破前に人払いまでして人的被害を避けた理由…
そこまでしてでもターミナルを破壊したい理由…


次々と湧き起こる疑問符に首を傾げたそよ姫。

そこへ……


「高杉晋助——かつて国を転覆しようとした過激攘夷志士の凶行ってことにしてぇらしいが無理があるわな」


松平が混乱する城下を見下ろしながら溜息混じりに煙草を燻らせた。


「これだけの人間を動かす権威(ちから)を持ってこんなマネができるのはそれこそ……総理大臣くらいなもんだ」


まさか、と呟いたそよ姫を横目に、松平はどこか嬉しそうな微笑ましそうな表情を浮かべる。


「それに俺ぁ今でも判らねぇよ。アイツが隣にいながらどうやったら総理大臣の暗殺なんかできるのか」


彼等の脳裏によぎるのはきっと同じ……あの“参謀”。




「つまり今起きてることは総理大臣とその専属参謀の計画の一部ってわけ……?
それにしてもこんな大規模な計画……水面下で進めるには無理がある」


松平にそう尋ねる信女は胸中でこの長官もグルなのではないかと訝しんでいた。


「貴方がそれを知らされていなかったどころか、気が付きもしなかったと?」


新しい煙草に火をつけた彼は遠くを見据えながら静かに答える。


「俺ぁ桂が殺されたって聞いた時からこりゃやられたって思ったさ。散々意気消沈だったくせに、この2年でそこまでツラの皮が厚くなってたとはな」


出会ってからもう幾数年……
逆境にさらされる度、それに負けじと寧ろ輝きを増すあの参謀にいつしかまんまと絆されていた自分に気づく。



「ったく、可愛くねぇよなぁ……」



煙を吐き出して松平は続けた。


「まぁでも……それゆえにアイツらはこの国を任せるに足る奴等だったってことよ」



そう、忘れてはいけない。
他の攘夷浪士の誰も成し得なかった国獲りを……本当に実現してしまったのはその2人だということを——。



 




「さぁて総理、2年分の負債を取り立てにいこうか」

「総理じゃない、桂だ」

「オーライ」



 

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Hi(プロフ) - ぜひ!末永くお待ちしております(*^^*) (2月18日 2時) (レス) id: c9fcf96ef3 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - Hiさん» コメントありがとうございます!わかります、私も原作で涙しました笑 明言はできませんが決して救いも希望もない結末にはしないので完結まで楽しみにしていてくださると嬉しいです (2月17日 21時) (レス) id: 2081f8c6f1 (このIDを非表示/違反報告)
Hi(プロフ) - コメント失礼致します!大変面白く中身もきっちりと構成されていて感動しながら読んでいます(*^^*) 野暮ですが、希望としては高杉晋助が死なない方向がいいなぁと思っています、打たれ弱いので笑笑 (2月17日 15時) (レス) id: c9fcf96ef3 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - りんごジュースさん» コメントありがとうございます!キュンキュンしていただけましたか!とっても嬉しいです(^^) 今後ともよろしくお願いします! (1月31日 0時) (レス) id: 4ad20a9210 (このIDを非表示/違反報告)
りんごジュース - コメント失礼します!主様の作品どれも素敵で一気に読んでしまいました笑笑どのお話もキュンキュンしてました!!これからも陰ながら応援しています! (1月30日 22時) (レス) @page50 id: 81b633d03b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ギラッフェ | 作成日時:2023年9月10日 22時

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