ep435 ページ38
取り敢えず考えてること全て吐き出して落ち着いたらしい参謀は、神流を気にする素振りで横目に見る。
しかしかける言葉も特に思いつかなかったのか、懐からカメラを出して現場写真を撮り始めた。
一方、もうその話題に興味なさげな沖田は肩の塵を払いながら言う。
「この件Aさんは目を瞑ってたんで、てっきり許可が下りてるもんだと思ってましたぜぃ」
それを聞いていた参謀は撮影の片手間に
「目を瞑るのと許可するのとはまた別物だよ。君達の計画書と報告書は全部私が目を通してるんだから」
そう返すと、不意にカメラを沖田に向けてぱしゃり。
「お、よく撮れた」とデータを確認して満足げにカメラを仕舞う。
「え?じゃあAさん、暗殺計画全部知ってて止めてないってことですか?」
不思議そうな新八に「うん。ある程度成果はあげてもらわないと困るからねぇ」とあっけらかんと答えた後……
「だって私が作ったんだもん。ほら、大日本国国土安全——…………あれ、なんだっけ沖田君?」
「大日本国国土安全保障局環境調整課でさぁ」
「そうそれだ。まぁ要するにマフィアだよマフィア」
「いやアンタが生んだんかい!!このマフィア!!」
飽きもせず爆弾発言。
当のAは悪びれもせず
「それもこれも旧幕府の古狸達が面倒なせいなんだよ。言っても分からないなら……ね?」
ね?と言いながら笑顔で首を掻き切るジェスチャー。
「やばいよ!なんでこんな人に総理の参謀させたんだよ!!悪の独裁政権樹立されてんじゃん!!」
まったくもってその通りである。
「けど今回みたいに予想外の被害が出そうな時は私が直接止めてるの」
「Aさん心配性ですぐ来るから毎回イイトコで終いになるじゃねぇですかィ」
「だって私じゃ本当にノっちゃった沖田君止められないじゃん、許してよ」
悪戯な笑みで小首を傾げるA。それを見てやれやれと溜息をつく沖田はどこか嬉しそうにも見えた。
そりゃこの参謀に面と向かって敵わないと言われ、太鼓判を押されるのはかなり気分がいいものだろう。
それも分かった上で言ってそうなのがAの怖いところではあるが……。
短くない付き合いの新八は思わず邪推してしまう。
「ということで、私は戻るけどくれぐれも戦闘再開しないように!頼むよ!?」
「らぁじゃ」
と言いつつもちろん戦闘は再開され、港のコンテナがことごとく粉砕されたのは言うまでもない。
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Hi(プロフ) - ぜひ!末永くお待ちしております(*^^*) (2月18日 2時) (レス) id: c9fcf96ef3 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - Hiさん» コメントありがとうございます!わかります、私も原作で涙しました笑 明言はできませんが決して救いも希望もない結末にはしないので完結まで楽しみにしていてくださると嬉しいです (2月17日 21時) (レス) id: 2081f8c6f1 (このIDを非表示/違反報告)
Hi(プロフ) - コメント失礼致します!大変面白く中身もきっちりと構成されていて感動しながら読んでいます(*^^*) 野暮ですが、希望としては高杉晋助が死なない方向がいいなぁと思っています、打たれ弱いので笑笑 (2月17日 15時) (レス) id: c9fcf96ef3 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - りんごジュースさん» コメントありがとうございます!キュンキュンしていただけましたか!とっても嬉しいです(^^) 今後ともよろしくお願いします! (1月31日 0時) (レス) id: 4ad20a9210 (このIDを非表示/違反報告)
りんごジュース - コメント失礼します!主様の作品どれも素敵で一気に読んでしまいました笑笑どのお話もキュンキュンしてました!!これからも陰ながら応援しています! (1月30日 22時) (レス) @page50 id: 81b633d03b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ギラッフェ | 作成日時:2023年9月10日 22時