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ep35 ページ37

―no side―


「ったく、このクソ忙しい時になんで帰って来ねぇんだよウチの参謀はッ!」


夜王――鳳仙の死が知らされたのはつい数時間前のことだった。

吉原桃源郷での内乱に幕府は右往左往。天井が開かれ境界が曖昧になった吉原は今やただの無法地帯だ。

よって吉原の入口へと通じる道を警備せよと通達が来たのがつい数分前。
通常業務を放棄して出動という異例の通達に真選組内部も揺れていた。



「あいつ……今度はどこほっつき歩いて――」

「Aさんならどっか行きやしたぜィ。屯所の入口にこれだけ置いて」


愚痴る土方に声を掛けたのは沖田。その手には買い物袋が握られていた。
沖田はごそごそと買い物袋の中を漁り、メモを取り出す。


「“夜には帰ります。”だそうでさァ」

「あ"ぁ〜めんどくせぇ……。オイ総悟、テメーもさっさと準備しやがれ。警備行くぞ」

「Aさん、探しに行かなくていいんですかィ?」


「ンなことしてる暇ねぇよ。こちとら幕府直々の仕事だ」


刀を取って立ち上がった土方に沖田は「甘ぇなァ」とぼやきながら真っ二つに切られた大根を不審げに見つめていた。



「オラ、しょーもねぇこと言ってねぇでさっさと歩け!」


「分かってまさァ」







 







―貴女 side―


手土産……というか一緒に呑むための酒を携え、万事屋への階段を上る。


「ちょっとアンタ」


階下から何やら声が聞こえるが気にせずにいると

「アンタだよ、そこの黒ずくめのアンタ!」

「……私?」


二階から見下ろすと黒い着物の淑女が煙草片手に私を見ていた。あぁ、一階のスナックの人か。確か名前は……そう、お登勢さんだ。


「銀時の知り合いかい?」

「まぁ……はい」

「アンタも大変だね」


そう言いながら煙草を吹かした。私はその言葉の意味がよくわからないまま曖昧に頷く。


何かを見透かされているような視線に居心地が悪くなり、「失礼します」と一礼して万事屋の扉を叩いた。




 

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ギラッフェ(プロフ) - からちぇさん» コメントありがとうございます!とっても嬉しいです!これからも応援お願いします! (2020年9月11日 22時) (レス) id: c665168944 (このIDを非表示/違反報告)
からちぇ - ドストライクな作品でした!めちゃくちゃ好きです (2020年9月10日 19時) (レス) id: b750728265 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - 今井月華さん» コメントありがとうございます!ちょっと気を抜くとすぐ体調崩しちゃいますからね、気をつけます。月華さんもお気をつけ下さい(^^) (2018年11月3日 7時) (レス) id: c530a04275 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - ハニーさん» ご心配ありがとうございます!これからインフルエンザの季節ですし、ハニーさんもお気をつけ下さい(^^) (2018年11月3日 7時) (レス) id: c530a04275 (このIDを非表示/違反報告)
今井月華(プロフ) - お疲れ様です。体調にはお気をつけ下さい^_^ (2018年11月2日 21時) (レス) id: 7d138352b8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ギラッフェ | 作成日時:2018年10月1日 22時

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