ep12 ページ14
「あ"ーやっぱりあの日パフェの誘惑に負けたのがいけなかったんだぁ……」
鞄の中身を仕舞いながらポツリ反省。
沖田君はそれを黙って眺めていた。そしてふと気になった、という様子で問う。
「ここに来る前はどこに雇われてたんですかィ?」
「なに、沖田君そんな私に興味あるの?それとも——」
私は手を止めて、続けた。
「何か嗅ぎ回ってるつもり?」
嗅ぎ回るなら気付かれないようにやればいいのに直接私に聞くあたりが実に彼らしい。まぁ私もド直球、嫌いじゃない。
「どっちだと思いやすか?」
へぇー、ポーカーフェイス崩れないんだ。
思わずにやりとする私も大概、彼と同じSだ。
「んー、私は前者であってほしいけど……どっちなの?」
思わず笑いを零す私にも1ミリも隙のない無表情で言う。
「答えはこれからのあんたの行動次第でさァ」
一瞬――……ほんの一瞬。
肌が散りつくような空気を感じた。
「わぁー怖」
しゃがんでいる私を冷たく見下ろす沖田君。私はそんな彼に笑いかけるが勿論、笑顔の一つも返って来やしない。
そして相変わらずのポーカーフェイスで身を翻し、去って行ってしまう。その背中を眺めつつ、私は深い溜息を吐いた。
やっぱ不穏分子だと疑われてるんだなぁ。それもそうか。
てか――……
「それより500円だ!500円!!」
「うおッ!ど、どうしたんだA君!?」
立ち上がった私の元にナイスタイミングでやって来たのはいかにもお金を貸してくれそうなザ・いい人、ゴリラこと真選組局長。
……うん、ここまで切羽詰まったとなれば仕方ない。ほら、上司から金借りるとかそんな珍しいことでもないし。ってことで――……
「局長、500円持ってます?」
軽い足取りで先日の店へと向かう。
あぁ、この500円玉私の人生史上最も輝いて見える。
「いらっしゃいませ〜」
店に入れば迎えてくれたのは先日と同じ店員さん。
「本当にご迷惑おかけしました。お代の500円で――……ってなぜお前がここにいる、銀時」
「お前と一緒だよ」
あぁ、追加注文の分が払えなかったのね。
ざまぁ見ろ!と心の中で思いっきり嘲笑っていると
「てか次会ったら斬るって言ってた癖に刀持ってねぇじゃねぇか。やっぱ没収されたんだろ」
と冷やかす銀時。
「あ……屯所に忘れてきた」
なんてことだと後悔していると、隣の銀時は冷や汗を流し始める。
「……屯所……——ってオイ、まさかお前……」
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ギラッフェ(プロフ) - からちぇさん» コメントありがとうございます!とっても嬉しいです!これからも応援お願いします! (2020年9月11日 22時) (レス) id: c665168944 (このIDを非表示/違反報告)
からちぇ - ドストライクな作品でした!めちゃくちゃ好きです (2020年9月10日 19時) (レス) id: b750728265 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - 今井月華さん» コメントありがとうございます!ちょっと気を抜くとすぐ体調崩しちゃいますからね、気をつけます。月華さんもお気をつけ下さい(^^) (2018年11月3日 7時) (レス) id: c530a04275 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - ハニーさん» ご心配ありがとうございます!これからインフルエンザの季節ですし、ハニーさんもお気をつけ下さい(^^) (2018年11月3日 7時) (レス) id: c530a04275 (このIDを非表示/違反報告)
今井月華(プロフ) - お疲れ様です。体調にはお気をつけ下さい^_^ (2018年11月2日 21時) (レス) id: 7d138352b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ギラッフェ | 作成日時:2018年10月1日 22時