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ep23 ページ25

「で、なんで会議をすっぽかした?」


副長はそう言いながらにっこりと笑った――

――つもりだろうが、いつにも増して瞳孔ががカッ開いてると感じるのは私だけ?


心の中で戦々恐々としながら自室で副長と向き合う。



「まさか途中参加すると面倒臭いからいいや、とか思ったんじゃねぇよな?」


「ぎくり。ぃいやぁ!違いますよそんな訳ないじゃないですかあははー」


「嘘つけッ!!今『ぎくり』っつったろッ!!絶対嘘じゃねぇかッ!!」



ちっ、口が滑った。
まぁ、いい。そうとなれば奥の手だ。



「いえ、副長。これには深い訳があるんです。バレてしまったのなら仕方ない、話しましょう」

「いや、バレたも何もテメーが自爆しただけだけどな!?」


ごほん、と咳払いをして私は話し始めた。


「まず私は街でゴリラとすれ違ったんです」

「……。」

「あまりの剛健さに局長の親戚の方ではないかと思い、これは挨拶をせねばと追いかけました」

「……うん、それで?」


相槌を打つ副長の頭に青筋が浮かんでるように見えるのはきっと気のせい。


「あ、そうだ。副長知ってます?ゴリラの学名ってゴリラ・ゴリラなんですよ。ローランドゴリラという種はゴリラ・ゴリラ・ゴリラ」


「え……」


「ゴリラ学者は全員土下座して詫びるべきですよね。野比のび太みたいなテキトーな名前付けられて……ゴリラかわいそう」


きっと色んな動物の学名考えまくって三徹目くらいの日に考えたんだろうな。
既に疲れ切って脳みそもまともに動いてない中で「え、もうゴリラゴリラ連呼しとけばいいんじゃね?」みたいな感じで決めたに決まってる。


「でも別にそんな気にすることでもねぇだろ、学名なんて」

「いえ、ゴリラは案外繊細なんですよ。ストレス性の下痢や心臓病で命を落とすことも多いんです」


「マジか……」


驚きのあまりタバコを落とす副長。


「そう、だから私は出来るだけそのゴリラさんを刺激しないよう、気を使って追いかけたんです。そしてやっと追いついてその肩を叩いた。

――しかし、そこで私は自分の犯した大きな間違いに気付いたんです……」


「……な、なんだ……?」


いつのまにか私の作り話に聞き入っている副長。
彼が固唾を飲み込んだその時、私は言った。




「彼はゴリラではなく地黒で肥満体質のチンパンジーだったんです」



 

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ギラッフェ(プロフ) - からちぇさん» コメントありがとうございます!とっても嬉しいです!これからも応援お願いします! (2020年9月11日 22時) (レス) id: c665168944 (このIDを非表示/違反報告)
からちぇ - ドストライクな作品でした!めちゃくちゃ好きです (2020年9月10日 19時) (レス) id: b750728265 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - 今井月華さん» コメントありがとうございます!ちょっと気を抜くとすぐ体調崩しちゃいますからね、気をつけます。月華さんもお気をつけ下さい(^^) (2018年11月3日 7時) (レス) id: c530a04275 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - ハニーさん» ご心配ありがとうございます!これからインフルエンザの季節ですし、ハニーさんもお気をつけ下さい(^^) (2018年11月3日 7時) (レス) id: c530a04275 (このIDを非表示/違反報告)
今井月華(プロフ) - お疲れ様です。体調にはお気をつけ下さい^_^ (2018年11月2日 21時) (レス) id: 7d138352b8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ギラッフェ | 作成日時:2018年10月1日 22時

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