【銀魂】前職：攘夷四天王専属参謀

ep18 ページ20

「こっちも来たみたいなんで後は任せました」


そう伝えてから刀を持って局長の隣に立った。



「何人くらい来ると思います？」

「んー、2、30人はくるんじゃないか？ハハハッ！」


……なぜそこで笑う。



しかし次の瞬間、局長はピタリと笑うのをやめた。そして「A君……」と神妙に呟く。


「我々はきっと敵に囲まれるだろう。俺の背中は君に預ける。君も……俺を信じて背中を預けてくれないか？」

「え……？」


「君に不信感を持つアイツらに何一つガツンと言ってやれない俺だが、どうか信じてほしい」


正面に見えた局長の表情はまさに組織の長にふさわしい凛々しい顔つきだ。


「君はもう真選組の一員だ。君の刀は真選組を守るためのものだと信じている。

だから……仲間の一人として、俺にも君を守らせてくれ」


「……しかし、局長――……」


「いやっ！！何も言わんでいい。これが終わったら旨い酒でも飲もうじゃあないか」


私の言葉を遮って局長は言った。



「――――……さぁ、行くぞッ！！」



刀を抜いて門へと走り出した局長。



私はそんな彼の――――……




　




襟をグイと引っ掴んで止めた。


「いや、落ち着け？そして考えよう……無理だろ」

「へ？」



いやいやいやいや、へ？じゃないよね？

20人vs2人で背中は任せたぜ、とか言って戦っちゃうの？どこのジャンプ漫画だよ。

……いや、ジャンプ漫画だけども！



「そりゃ副長や沖田君ならいけるのかもしれないですけど……普通に考えて無理でしょ」


襟首を掴まれたままシュンとする局長。


「てか大体、なに大人しく囲まれる気になってんですか」


仕方なく解放してやれやれと溜息を吐く。



「……じゃあ、どうすればいいんだ？」


そんなの簡単なこと。囲まれたら負けるんだから……



「囲まれる原因を元から絶つッ！」


そう言って私が担いだのは沖田君でお馴染み、バズーカ。


「局長もこれ使って下さい。長篠の鉄砲隊の要領でいきますよ」

「な、なるほど！」


そう、バズーカは撃ってからまた弾を込めて撃てるようになるまで時間がかかる。だから私と局長が交互に撃って、もう1人が撃っている間に弾を込める。

これを繰り返せば敵の勢力、半分は削げるだろう。



「まぁ、それでも囲まれた時は――――


――――……預けますよ、私の背中」


そう言ってにやりとすれば局長は目を見開き、そして笑った。



「……ウチの参謀には敵わんな」


「そりゃどうも」


　

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