地獄のプリンスは今日も死にたがり (ページ10)

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9話ページ10

『あ"ぁ〜…何もしたくない…何もしてないのに死にたいぃ…』

魘された日から数日、僕の事を考えてか誰も部屋に来ようとはしなかった

今もだが、重度の鬱状態なので有難い
そういう所では、鬱りやすい父さんは良き鬱仲間

チラッと時計を見ると、丁度昼前。ぐるぅ…っとお腹の虫も騒ぎ始める

『…お腹空いた、…死にたい…。動きたくない…死にたい…』

そんな言葉を呟きながらも、重い体を起こし渋々と部屋を出る

誰にも会わないようにと願いつつ、何かないかとキッキンへ向かった

向かう途中、何か焼くような匂いが鼻を刺激する

香りがするキッチンをそっと覗いてみると、蛇のような人と小さい女の子がクッキーを焼いている

『(…ただの衝動焼きか？そう言えば、やけに周りも騒がしいな何でだ)』

見つかる前にキッチンから離れようとしたが、遅かった

「これは、これは王子！チャーリー達から話は聞きましたよ、よく眠られましたかな？」

「あは！死にたがりちゃんだ！ｸﾞﾌﾌ」

『あっ…と、どうも…はは』

「丁度、クッキーを焼いていたんです！良かったら王子もどうでしょう！」

ほらほらとクッキーを勧めてくる2人。貰わないのも申し訳ないので、1枚口へと運んだ

ゆっくり咀嚼していると、僕の反応を見たいのか目を輝かせながらソワソワしている…可愛いな

『お、美味しいよ…ありがとう』

「おお！やりましたよニフティ！王子から太鼓判を貰いました！」

「うははは、やった！やったぁ！！」

でも、どうしてクッキーなんて焼く気になったんだろうか

『ふ、普段から作ったりしてるの？』

「いえいえ！特別なお客さんが来られるんですよ！それはもうとっても特別な人です！！」

「アタシ早く会いたい！」

『へ、へぇ…！どんな人なんだろ』

「どんな人も何も、王子の父上あの地獄の王ルシファーではありませんか！」

『』

ぇ今なんて？

チャーリーside

「うん、これならパパが来るまでには片付けも間に合いそう！」

パパが来るとなれば、皆も張り切って準備してくれている
時計を見れば、あと数十分で1時間。パパが来る

「よし、バッチリね！」

ﾊﾞﾝｯ！

『チャーリーｯ！！』

「A！？」

急に現れたかと思えば、真逆のA。私を見つけるなりズカズカと近づい来た

『どういう事！と、父さんが来るの？！』

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