地獄のプリンスは今日も死にたがり (ページ9)

今日:7 hit、昨日:62 hit、合計:28,389 hit

8話ページ9

「パパとそんな約束を、したの…？」

『ただの口約束さ。気にする事ないよ』

…1度、父さんとの約束を破った事がある。あの時は酷かった

確か昔、出かける前に必ずキスをするって約束があったんだけど、流石の僕も段々恥ずかしくなって、その日はキスをしないで出かけた

そしたらどうだ。わんわん泣き出した上、仕置としてアヒルのおもちゃの手入れを1週間もさせられた(((

もう二度と手入れなんかするもんか

『約束がある以上、勝手に命を投げ捨てられないし…
チャーリーさえ無事で居てくれれば、それで良い』

「A…」

『じゃあ…部屋に戻るよ、』

フロントにいる皆の視線を背に、階段を上り部屋を目指した

…チャーリーの事は嫌いだ。悪人も勿論、嫌いだ
嫌いで嫌いで仕方ない筈なのに、やっぱり嫌いになれずにいる

だからいつもズルズル引っ張って、鎖になるんだ

『…僕の中のコイツも何とかしないとな』ﾎﾞｿｯ

小さく、頼りのない声が唇から漏れ出した

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

バギーside

Aが部屋へ戻ってからずっと、考え込むように歩き回るチャーリー。いつも落ち着きがないが、今は特に落ち着きが無い

「ねぇ、チャーリー。心配なのは分かるけど、1度座りなよ」

「あああぁ…私ったら…まただわ…」

分かりやすく落ち込むチャーリーに寄り添い、背に手を添えてあげると正直に気持ちを伝えてくれる

私はそんな綺麗な彼女が好きだ

「気をつけようって思うのに、Aが来てくれるとつい嬉しくなりすぎてしまうの…。昔は本当に仲が良かったのよ？」

私絶対嫌われてるわ…と頭を抱えるチャーリーを慰める

「俺だったら絶対嫌いになるね笑ハハハッ」

「アンタ空気読みなさいよ…！」

エンジェルが横から余計な口出しをしたせいで、またチャーリーが落ち込む

睨みを利かせると、なんだよ冗談だって…！と焦る様に撤回するエンジェル。…それなら最初から言うな

「大丈夫よ、チャーリー。Aもそう言ってたんだし、自分ばかりを責めないで」

「バギー…」

「次に気を付ければ良い。そうでしょ？」

「そうね…！ありがとう、バギー」

やっぱり貴方には笑顔が1番良く似合う
どんな時でも、前を向いて立ち向かう貴方だから大丈夫

「よし、気を取り直していくわよ！

今日のレッスンは落ち込んだ時、傍に居てくれる相手に対して言葉のプレゼント！」

…切り替えの早いところも良い所よね、多分;