地獄のプリンスは今日も死にたがり (ページ8)

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7話ページ8

〖…あれ、チャーリー？

どこ行った…？全く、少し目を離しただけでコレだ〗

その行動力は尊敬するが、思い立つとすぐ行動に出てしまうから困ったものだ

…周りは悪人だらけの地獄で、女の子1人

悪い想像しか出来ない

〖チャーリー…！、どこ行っちゃったんだよ…
置いてかないでよ…、、ねぇ！チャーリーｯ…！！〗

君は、皆を救う為に頑張るけど、ここは…ここには……

〖悪人しかいないんだよ、チャーリー…！〗

まるで迷路のような路地。
無我夢中で姉の姿を探し、駆け回っていると遠くに姉らしき姿を見つけた

〖…チャーリー、、？〗

走って、走って、走っても、何故か距離が縮まらない
なのにチャーリーは、どんどん遠のいて行ってしまう

〖まって…！待ってってばｯ…！！〗

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

『チャーリーッ…！！！はぁ…、はぁ…！』

「わ！何、大丈夫？」

『ｯはぁぁ…、ﾊ……ここ、どこ…？』

額を手で拭うと、汗まみれだった。呼吸も乱れていて、胸がすごく苦しい

「、あー…大丈夫そうか？…チャーリー呼んでこようか？」

声がする方を向くと、背の高い女性的な人
確か、エンジェルダスト…。心配そうに僕を見つめては様子を伺ってくる

『…チャ…、リ……！』

「分かった、呼んできてやるよ。その前に深呼吸、深呼吸
そうそう…上手だね」

僕の手を優しく握り、そして包み込む様に抱き締めてくれた
突然の事に驚いて固まる

そんな事しても、君は僕の嫌いな悪人だ

「少し落ち着いたかな。ハスク！俺、チャーリー呼んで来るからAの事、見ておいてよね！

抜け駆けしたら許さないんだから」

「テメェじゃあるまいし」

そんな会話が聞こえたかと思えば、エンジェルが離れて行く
チャーリーを呼んできてくれるのだろう

久し振りにあんな夢を見た

きっと、人前に出たりして慣れない事をしてしまったからだ
…そうに違いない

『鬱だ…、死のう』ﾎﾞｿｯ

「Aｯ…！！大丈夫！？！
エンジェルから聞いたわ！とても魘されていたって…！」

僕を見るなり、目を合わせようとするチャーリー
眉をひそめて心配そうな表情が見える

『…大丈夫、。慣れない事して疲れただけだよ
迷惑かけた、部屋に戻る』

「待って！、部屋まで送るわ」

『いらない…今は1人がいい』

「そんな…待って駄目よ、だって…！」

『平気だよ、チャーリー。僕、約束したんだ父さんと、
…君を護るって約束』

＿＿＿父さんとの約束は絶対だ