地獄のプリンスは今日も死にたがり (ページ7)

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6話ページ7

チャーリーside

「それでね、1番成果を上げているのが…A？」

『ｽｩ…ｽｩ…』

見れば静かな寝息を立てて眠るA
相当眠かったのだろう、目の下にクマが出来ている

私の為に、頑張って起きてくれていたのかも

「ありがとう、A」

眠る弟の頭を優しく撫でてあげる。幼く見えるのは今も昔も変わらない

机に広がる資料を全て片付け、風邪をひかないようブランケットをかけてあげた

「おはよう、チャーリー。…もしかしてA？」

「ええ、眠いのに付き合ってくれてたの
少しこのままにしておくわ」

「そうだね、おいでチャーリー。朝食、まだでしょ」

「ええ」

エンジェルside

はぁ〜…ヴァルの奴、夜中でも構わず連絡を寄越しやがって

携帯を片手にスクロールするも、全てヴァレンティノ
朝から本当に萎える

連絡内容に目を通しながら、ドカっとソファに座り込んだ

「ｯもう、チャーリー！少し横にズレて…よ、って
ええ！？A…ｯ！！」

横を見ると、すやすやと眠るA。まさか居ると思わず、ずっとチャーリーだと思っていた

近くでじっと見つめるも、起きる気配は無い

「…あはっ、やっぱり可愛い♡」ﾊﾟｼｬｯ

近くで見れば見る程、チャーリー同様に整った綺麗な顔立ちで大人っぽいと言うより、子どもっぽい顔つきで幼い

記念にと10数枚、写真に収めた

「おい、あまり余計な事してやるな」

「はは、何〜羨ましいの？猫ちゃん」

「巫山戯るな、言ってただろ？死にたがりだってよ
刺激してやるな、そっとしといてやれ」

「やけに優しいね、そんなタイプじゃ無いだろ？」

「面倒事になる前に、忠告してやってんだよ」

ま、それもそうか…。誰しも立ち入って欲しいくない領域はある。それは俺もよく分かる

そっとAから離れ、カウンターチェアに腰を下ろす

「朝から火酒は出さんぞ」

「えー、ケチだなぁ…！なら俺とお喋りしよ？」

「…下らん話は聞かんからな」

「はいはい」

時々、起きるんじゃないかと気に掛けながら、眠るAを後ろにハスクと雑談で盛り上がる

…そのうち、俺達に慣れてくれるだろうか

ホテルに来てから変わったと、自分でも少し感じる時がある

まだ心を開けないAを、心配している自分がいる
昔はそんな事、思った事も考えた事も無かった

でも、今はチャーリーのお陰で誰かと関わるのが少し楽しくなった。Aにもそう思ってもらいたい

「ふふ、早く起きないかな〜♪」