地獄のプリンスは今日も死にたがり (ページ36)

今日:11 hit、昨日:23 hit、合計:28,331 hit

34話 ★ ページ36

．

．

．

『ん……どこ、ここ』

気が付くと、知らない暗い部屋
何故かダルい体を起こして辺りを見回した

『何だっけ、確か…エンジェルと一緒に居たような
どこ行ったんだろう？……探しに行かないと』

ｼﾞｬﾗ、

『？…手錠』

見ると鎖で繋がれる両手。力を入れて引っ張るもビクともしない

『(困ったなぁ…)』

そもそも何でこうなったんだ

エンジェルと出かけて、その後の記憶が無い
…彼の仕業とは思い難いけど

『ぇっと…、エンジェルー！
まさか君の仕業じゃないでしょ？、どこ行ったんだよー』

勇気を出して、呼びかけてみるも応答無し
この部屋には居ないのか？

見つけた監視カメラに叫んで見るも、何も無い

…徐々に不安が募ってくる

『ﾊ…、は…意地悪しないでょ、、ｯねぇ』

苦しい

胸が苦しい…何でだ

ギュッと胸辺りの服を掴んで、この苦しさに耐えていると、どこからとも無く現れた1人の男

スーツに身を包み、スレンダーな体型に角の生えた兎の容姿をした悪魔

『…ぁ、あのｯ…どこから来たの…？』

「…？」

見ず知らずの悪魔に、急に助けてなんて言って変な考えを起こされても困るし、まずは落ち着いて聞いてみる

『き、君はここ何処か分かる？』

「…？」

何を問いかけるも、目の焦点が合わず返答は無い
何を考えているか分からず、真意がはかりかねる

向こうも僕をただ見つめる、…それだけ

焦燥感に駆られ、自分を安心させる為に膝を抱えた

『…チャーリー、』

．

．

『ｯわ、何…！』

前を見ると先程の兎の悪魔が、ゆっくり近付いてくる

ぺろっ

『うあｯあ…！、や』

目元を舐められた事に驚いて、後ずさるが背中は壁で逃げられなかった

『うｯ…やだ！辞めてよ…ｯ』

兎の肩を押すも、力が思いのほか強い
逆に肩を押され仰向けになってしまった

『や、やぁｯ…！やめろｯ、ほ…んとに…！！イヤだｯ、』

目元、耳、首の順番に舐められ、気持ちが悪い感触に涙が出る

殴る蹴ると暴れてみれば、抑え込まれ伏臥位させられる

その瞬間、サッと血の気が引いた
『(…この感覚、確か前にも1度……、、)』

『ｯｯ痛…もう、何なんだよｯ！！』

首に痛みが走り手で抑えると、兎の手には注射器が握られていた、、

『…ﾊｧ……ﾌｩ…ｯ、はｯァ…ぁ、あれ…？///』

じわじわと熱くなる体、浅くなる呼吸

間違いないその手の薬だ

『チャーリー……、たすけてｯ』