地獄のプリンスは今日も死にたがり (ページ29)

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27話ページ29

エンジェル達がアダムへ向かっていくチャーリー達を見て、歓声をあげるがそんな所では無い

普段使わない羽を思い切り広げ、後を追う

『うあっ…！』

ずっと部屋に籠って、羽本来の使い方をして来なかったせいか、いざと言う時バランスが取れない

それでも、何とか飛んだ

途中、バギーがアダムの側近に攻撃されて墜落してしまった。それに気を取られたチャーリーが、アダムに投げ飛ばされてしまう

『チャーリーｯ！！』

姉を受け止めたのは良いが、ｶﾞｯｼｬｱｱﾝと音を立ててホテルの看板に激突する

「Aｯ…、！」

『ごホッ、』

「罪人の為に不滅の命を危険に晒すとはイカれてる。ルシファーの餓鬼と言えどもな」

舌を噛んでしまい口の中が血で溢れる。顎を伝ってポタポタと地面を血で汚した

「罪人は私達の家族よｯ…！」

「罪人は私達の家族よ♪何ほざいてんだよ」

その言葉に今度はチャーリーが、トライデントでアダムを刺し振り回した

駄目だ…打ち所が悪かった。視界が歪んで見える

2人が何か話してるけど、よく聞こえない。しっかりしろ…！
これじゃ守れない

だめだ、ダメだ、駄目だｯ…、！

鎌を支えにして立ち上がる。目を凝らして見れば痛めつけられるチャーリーに我慢ならなかった

『アダムｯ！その手を今すぐ離せｯ！！』

「そんな深傷を負って私に挑むつもりか！？姉弟揃ってマヌケすぎだろ！なぁ！！」

振り下ろした鎌は弾き飛ばされ、視界が反転した
理解が追いつかないまま、お腹にアダムの足が強くのしかかった

『ん"グゥｯ…！あ"ｧ"、いｯたい"ぃ！！』

「" パパ "に刃向かった罰だA」

『…う"、ああ"ｧア"あァあ！！！！』

鋭いヒールが腹の皮膚を破り、ぐちゅっと嫌な音を立てた
チャーリーが何か叫んでいるが、痛みにより何を言っているか分からない

もう半分意識が飛んでいる

＿＿＿＿ごめん、チャーリーもう飛び…そ

チャーリーside

私を助けようとしてくれたAでさえ、アダムを前では手も足も出せなかった

お腹を強く踏まれ、痛みに泣き叫ぶ弟に何もしてやれない

「A！」

「これで終わりだ！」

ドｯ……ガｯｼｬｱｱﾝ！！！

「パパｯ…！」

「遅くなったね、チャーリー無事かい？」

「ええ！」

「Aよくチャーリーを護ってくれたね。よく頑張った」

横たわるAに屈んで、優しく言葉をかけるパパ
もう既にAの意識は無い

「ここからは私が相手だ。チャーリー、Aを頼むよ」