地獄のプリンスは今日も死にたがり (ページ23)

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21話ページ23

エンジェルside

え…？何で皆出て行くんだよ

訳を聞けば、天使達と戦うとか何とか言ってバギーも出て行っちゃうし

しかも、戦うも戦わないも自分で決めろ的な、気まずい雰囲気だけを残して行くし…

「あー…、どうする？」

「どうするも何も、お前は行く宛てなんてあるのか？あのクソボスの所へでも行くのか？」

「やだよ！これ以上好き放題されて溜まるか」

「吾輩達はどうしたらいいんでしょうか」

「だからそれを考えてるんだろ？馬鹿」

チャーリーも居ない。バギーもアラスターも居ないとなれば、残っているのは俺達とA

Aは一体どうしてるんだろう

「俺、Aを見てくる。バギーの言葉を借りる訳じゃないけど、この先は自分で決めるんだ

天使と戦うも逃げるも自由だ

俺は…取り敢えずAに会うよ、…それから決める事にする」

そう言い残して、俺は階段を登りAの部屋へと向かった

この状況が良いと言えない事は、馬鹿な俺でも分かる。でも、何処か焦っている自分がいる事は確かだ

このままチャーリー達が帰って来なくなったら、どうしようだとか、折角友達と呼べる関係になってきたのに、バラバラになるかもしれないとか…

色んな不安が階段を上る度、自分に伸し掛る様だった

「！…A？」

部屋にいるとばかり思っていたが、Aが居たのはチャーリーの部屋。部屋のど真ん中でただ俯いて、突っ立っていた

「や、やぁA。ちょっと聞きたいんだけどさ、チャーリーの新しいプランってヤツを聞きたいんだ」

『…、』

「…？A」

声を掛けても俺に目も向けず、一点を見つめるAを不思議に思う

すると、ボソボソと何かを呟き出した

『…僕は、守れなかった。…約束を……こんな僕なんて』

「Aｯ！お前までどうしちゃったんだよ！？しっかりしてくれ、頼むよ…！」

俺も俺で必死だ、何せこの生活が俺の日常になってだったんだから。…それが無くなるなんて嫌だ

Aの肩を掴んだ手は、Aによって直ぐ払い除けられた

『僕に押し付けるなよ…ｯ、何にも知らない癖に！』

「ｯ嗚呼、知らないさ！だってお前は教えてくれない！なのにどうやって理解しろって言うんだよ！！」

『理解なんて要らない！もう、ほっといてくれ…』

今のAは、少し前の俺と似ている。俺もまた、自分が嫌になる時がある

でも、今はそばに居てくれる友達が出来た。このホテルで

つまり俺は、このホテルが無いと駄目なんだ