地獄のプリンスは今日も死にたがり (ページ3)

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2話ページ3

「あー…A？」

扉を開け、そっと中を除くとそこは綺麗なガーデン。ホテルの個室であることは間違いないが、魔法でそうしてるのだろう

少し進むと、ガーデンテーブルとティーカップが置いてある

Aの事はよく分かっているつもりだ

Aは、パパのように魔法が得意でそして、誰かが来た時は良く物に化けては隠れる癖があるのも知ってる

「ティーカップに化けても私には分かるのよA」

『…何してるの？』

「うわわ！A！？居たのね…！」

『ティーカップと何話してたの？』

「え！あ、ああ！コレ！？何でもない！」

何処か疑う様な表情で私を見てくるA
…また痩せた様に感じる

『先に言っておくけど、部屋からは出ないからね』

「そんな！皆とっても素敵な人ばかりなの、きっと大丈夫」

『はぁ…、想像してご覧よ』

そう言うとパッと筆を出して空に滑らせると、Aが思い描く絵が出来てきた

『…つまり、こうなる訳』

完成した絵は、皆に強く言い寄られている様な絵。虐められているようにも取れる

「そんな事ないわ…、皆とても優しいもの

ねぇ、A。前は私の夢を応援してくれたじゃない
昔の貴方はもっと明るくて、私と同じ夢を見てくれてたわ

あの時…本当は何かあったの？」

『…何も。昔の僕じゃなくて今の僕を見てよ。兎に角、ここから出るつもりはないから…絶対』

「はぁ…なら、仕方ないわね
あまりこういう事は言いたくないんだけど

パパに言うわよ」

『うん分かった、僕は何をしたら良い？バトラー？任せてよ』

Aにこの言葉はよく効く。可哀想だから言いたく無いんだけど、この際仕方がない

やり方はともかく、Aを部屋から出すのは成功

後は変な行動をしないように見張っとかないと…

Aside

『(…不安だ、辛い……しんどい)』

部屋から出るのも本当に久し振り、出てすぐに足が竦む
背中をぐいぐいと押し進めてくるチャーリー

大嫌いだよ、本当に

「皆、紹介するわね！！私の弟であり、このホテルでバトラーとして働くA･モーニングスター君です！

仲良くしてあげてね！！」

「へぇ〜！本当だ、チャーリーに似てる
君、可愛いね。僕とャる？攻めるのも得意だよ僕」

「…おい、コイツ顔色悪くねぇか」

「アタシ悪い子大好き、貴方悪い子なの？」

「私は、サーペンシス！以後お見知り置きを王子！」

「これは、これはチャーリーの弟さんに会えて光栄ですよ」

やっぱ無理…