地獄のプリンスは今日も死にたがり (ページ14)

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13話ページ14

父さんが部屋から出て数分後、ガタンっとホテルが揺れた
外に目を向ければ、柄の悪そうな悪魔達

穏やかに過ごせる日は無いのかと毎度思う

下の階からは、物が破壊される音や怒鳴り声、叫び声…
本当に頭が痛くなる

『あれじゃ期待できないな…』

父さんの言う通り、あんな奴らは改心なんてしない
天国へ行くなんて以ての外だ

チャーリーにとって、天国は素晴らしく素敵な所と思っているが実際、僕はそんなに良いとは思えなかった

今でもふと思い出す。…嫌な記憶だ

『はぁ…、やめやめ。寝よ』

思い出そうとする頭を振り、雑念を振り払う

よく眠れるよう睡眠薬に手を伸ばそうとしたら、ふと真新しい薬瓶が置いてあるのを見つけた

丁寧に置き手紙まである

『ﾌﾌ､心配症だなぁ…ほんと。自分の心配しなよ、パパ』

部屋を出る前にそっと置いていったであろう、睡眠補助薬
不眠症気味の僕を気遣ってくれたんだろう

有難く、それを飲み込んだ

『素敵な夢を見れたらいいな…』

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チャーリーside

ホテルが皆の目に止まることは、本当に良い事だと思う
でも、人が増えるとそれだけ厄介事も増えた

それでも、地獄の皆は私の家族の様なもの

良心は必ずどこかにある。私は諦めないわ…！

「…分かった、会議を持ちかけよう。だが、私は一緒に行ってやれない。それでも大丈夫か？」

「勿論！」

「流石、我が娘…！頑張れチャーリー！」

そう言い残すと魔法で消えたパパ
いつだって私を応援してくれている、必ず応えなきゃ

「よし、これで天国へ会議できるチケットを手に入れたわ！」

「次の試練は今までとは違って、厳しいよ」

「大丈夫、バギーがいるから！勿論、天国にも一緒よ」

「ｨ…ｲｪｰｲ、」

そうとなれば、早速準備しなきゃ！

資料を纏めて、皆の成果を評価した物とか、地獄の人口過密問題についての冊子とか、それからそれから…

「そうだ！Aにも来てもらおう！うんうん、きっと大きな戦力になるわ！」

「え、Aも連れていくの？…大丈夫？」

「大丈夫よ！パパ曰く、Aは幼い時だけど天国で過ごしてた時期があったの、だからきっと詳しい筈よ！

…何でだったかは忘れちゃったけど」

そう私達が、まだ数える位の年齢の時だ
パパが幼い弟の手を引き、少し行ってくると言って数日帰って来なかった

ほら、Aはパパに似て天使の様な羽を持ってるから
何処へだって飛べるの