肆拾伍 ページ5
「どうかな?十分、彼を鬼殺隊に入れても良い条件だと思うんだけど」
柱の人達が一斉に口を噤んだ。
少ししたあと、傷だらけの顔の人が口を開く。
「しかし…にわかには信じかねます。無礼を承知で申し上げますと、口ではなんとでも言えるかと」
「そうだね。確かに私がそう言われてもそう思うよ。だから、皆にも彼の実力を実際に見てもらおうと思ってね」
え?何の話だ?
実力を実際に見てもらうとは?
お館様が「入っておいで」と廊下に声をかけると、
1人の男の人が入ってきた。
歳は18か、19くらいだろうか。
背も高く、広い背中。
見た目にもわかる、随分と強そうな人だなぁ。
「今からAには、彼と模擬戦をしてもらう。ただし、彼は真剣で那奈は木刀でやるよ。」
「ほぁ?!?!」
この人と、圧倒的不利で戦え、ということか?
あなたが鬼では。
「この者は?」
「彼は、階級乙の子だよ。
あと1匹2匹鬼を殺せば、甲になる実力者だ」
男の人は、館様と柱の人達それぞれに丁寧に座礼をした。
礼儀正しい人だけど、瞳が曇っているし顔もむっとしている。
あの感じだと、どうして俺がこんな弱そうな奴と戦わなければならないんだ、って思ってそう。
あ、こっち睨んだ。
「君は、Aの体に1つでも傷をつければ勝ち。Aは、彼を倒せば勝ち。それでいいかい?」
男の人はあからさまに顔をしかめた。
「ちょっと待ってください、なんで俺がそんなに贔屓されてるんですか?
普通、逆ですよね。俺がこんなやつよりも、弱いとお思いなのですか。それに、この戦いでの俺の利点はなんですか。はっきり言って、不満──」
突然、男の人の顔に小石がぶつけられた。
「お館様の意見を反対するのは、許さないよ」
先程までボーッと空を見つめていた男の子が、
彼に石をぶつけたようだった。
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ぴえんはけつの穴 - 嘘だろなんでハートついてないんだ…!こんな神作つけないほうがおかしい…設定も文もキャラの関係性も何もかもが面白いです…!! (10月30日 15時) (レス) @page25 id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - 黒豆粉さん» コメントありがとうございます!素敵な作品と言っていただけて、本当に嬉しいです!これからも更新頑張っていきますので、よろしくお願いします! (2019年11月18日 23時) (レス) id: 8446f3cd09 (このIDを非表示/違反報告)
黒豆粉 - とっても素敵な作品!!!!すっごく好きです!!とっても面白くて続きが気になります!!!更新頑張ってくださいね!!!待ってます!!! (2019年11月18日 18時) (レス) id: a216a85358 (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - 雷斗さん» 大変失礼しました、すぐに直します!教えて下さりありがとうございます!! (2019年11月10日 12時) (レス) id: 8446f3cd09 (このIDを非表示/違反報告)
雷斗(プロフ) - 度々すみません、!柒拾参の6行目ですが、1時間時間になってます、! (2019年11月10日 11時) (レス) id: 3d539c4143 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハナ | 作成日時:2019年9月25日 23時