柒拾肆 ページ34
「ま、その話はいいとして。お前は予想以上の出来で戻ってきたわけだ。あの妙な技は使っていないな?」
「はい、もちろん!」
「それじゃあ午後からは俺達鬼殺隊なら基本誰もが使っている、呼吸について教える。
まだ昼には早いからな、そこの廊下の突き当たりを右に曲がってすぐの部屋は空き部屋だ。
そこで昼まで休憩しているといい。」
「わかりました!」
するとまきをが、「ちょっと待って」と声をかけた。
「体が擦り傷よ、もしかしたら打撲もあるかもしない。1度傷を見せて貰える?」
傷を見せて、という言葉を聞いて、Aの顔が途端に強ばる。
「あ、大丈夫です、これくらいならすぐ治るので!」
「そう言って放置しておくと化膿しかねないのよ?ほら、おいで」
何故か嫌がるAの腕の袖をサッと捲ると、先程まで血が滲んでいたはずの所は、傷ひとつない白肌へと変わっていた。
「?!どういうこと、」
そういえば、顔にあったはずの擦り傷も無くなっており、なんなら身体中にあったはずの傷が無い。
「本当に大丈夫なんです。僕、ほとんど不死身なのと怪我もすぐに治っちゃうので…」
ごめんなさい、とAは申し訳なさそうに笑うと、捲られた袖を素早く戻し、そそくさと廊下へ出てしまった。
「天元様、あの子は一体…」
「俺達にも実はあまり分かっていない。骨が折れても一晩で治ると聞いたし、本当に不死身なようでな…ただ、無害だということと、恐ろしく強く伸び代のあるということは分かっている。だから柱がこぞってAを欲しがるわけだ」
「それにしても…なんだか、寂しそうな子、ですね」
あの小さな15の背中に、一体どれ程の過去を背負っているのだろうか。
あの様子では、誰かに頼ることもせずにいるのだろう。
きっと唯一甘えられた『先生』の死によって、尚のこと頼れず、一心に背負って…
「…ここに継子にこれば、私たちが家族になれるのに。…天元様、絶対あの子継子にしましょうね。」
どうやら宇髄よりも、他の3人の方が乗り気になっている。
宇髄はニィ、と笑いながら、
「あァ。あいつは派手に俺の継子にしてやる」
と言った。
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ぴえんはけつの穴 - 嘘だろなんでハートついてないんだ…!こんな神作つけないほうがおかしい…設定も文もキャラの関係性も何もかもが面白いです…!! (10月30日 15時) (レス) @page25 id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - 黒豆粉さん» コメントありがとうございます!素敵な作品と言っていただけて、本当に嬉しいです!これからも更新頑張っていきますので、よろしくお願いします! (2019年11月18日 23時) (レス) id: 8446f3cd09 (このIDを非表示/違反報告)
黒豆粉 - とっても素敵な作品!!!!すっごく好きです!!とっても面白くて続きが気になります!!!更新頑張ってくださいね!!!待ってます!!! (2019年11月18日 18時) (レス) id: a216a85358 (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - 雷斗さん» 大変失礼しました、すぐに直します!教えて下さりありがとうございます!! (2019年11月10日 12時) (レス) id: 8446f3cd09 (このIDを非表示/違反報告)
雷斗(プロフ) - 度々すみません、!柒拾参の6行目ですが、1時間時間になってます、! (2019年11月10日 11時) (レス) id: 3d539c4143 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハナ | 作成日時:2019年9月25日 23時