壊れた星の輝きを・弐【鬼滅の刃】【時透無一郎】

漆拾伍 ページ31

『杏寿郎は明日からどうするの？』


「すっかり忘れていた！！！ 俺は鬼殺隊で亡くなっていることになっているのならばあと少しだけ、Aが良ければ、だが一緒にいたいと思う」



『了解、じゃ、部屋案内してもらってね』



正直、とても嬉しい

もう少し一緒にいれば、何か思い出す気がした


私は、何かを忘れている…とても大切なことを


それを彼とぶつかり合い、確信した





彼とは初めてにしては異様なほど息があった



彼と私は、何かしらの繋がりがあった。そう考えられる




……ん？ よく考えたら私




少なくとも鬼殺隊の柱と繋がりがあった、ってことになるよね？




私、鬼になる前何してたの？














その日はよく眠れなかった














それから私は次の日も、次の日も、


杏寿郎と手合わせしていた




時々猗窩座にも相手をしてもらったが




戦闘途中で鬼へと勧誘することが多く、





出禁にした







いや、自業自得だ、あれは




流石に気に入ったからって厠までついて行くのは、ね？

杏寿郎が可哀想だよ






『しかし杏寿郎も強くなったね』



「Aも強い！
初めは、柱がこんな鬼の住処で何しているんだ、と思ったが


なかなか悪くないな、このような生活も」



『それは良かった』




私は結局2ヵ月たった今でも全てを思い出すことは出来なかった


何度かもう少し！ となったことはあったのだが



急に霧がかかったように思い出せなくなって、頭が割れるように痛くなる



一度だけを覗いて



私が柱の皆の話を聞いていた時に出てきた人達の中で何人か引っかかる人がいた





たしか



宇髄天元さん


甘露寺蜜璃さん


胡蝶しのぶさん


……時透無一郎さん



時透さんの説明をされた時、同じように頭が痛くなった



一瞬だけだが






その人だと思われる人が私の頭を撫でてくれていたような気がする



すぐに思い出せなくなってしまったけど



おそらくその人と会えば何かわかる気がする、そう思った





ついでに、夢子が鬼であることは知っているようだった


ほかの上弦の皆もいたから、夢子の右腕を無惨様が吹っ飛ばしたことも伝わってしまった







素性がバレてる夢子ちゃんもどうかと思うけど、こんなに内部の話をする私達もどうかとは、思ってる

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