壊れた星の輝きを・弐【鬼滅の刃】【時透無一郎】

漆拾肆 ページ30

ーお前の主は誰だと思っている





『貴方様お1人です、無惨様』






ーお前が従うべきものは誰だと心得ている





『無惨様だけで、ございます…！』





ーお前の……「こっちを向け！ Aっ！！！」




『……ｯ！！？！ ……貴方……ｯ』



「大丈夫か、こういう時は誰か呼んだ方がいいのか


俺には鬼の身体の仕組みは分からないからな！！」







この目、知ってる
私をいつも見守ってくれていた、目



私、なにか忘れてる？




『ていうか、離してくださいっ！！

いつまでこの体制でいるおつもりですか？』



私は彼の胸筋に包まれているのとほぼ同じ状態だった

私、男の人の耐性ないのに





なのに、どうしてだろう












何か違う、










そう思ったのは…






『私は、もう大丈夫です。ありがとうございます


病み上がりに申し訳ないのですが





貴方はこれからどうしますか？』






彼は鬼殺隊では死.んだことになっているだろう


いや、あの赤髪の子によるな




「うむ！！……俺は柱として、責務を全うしたい！！


せっかくAのおかげで生きながらえたんだ！！



ならば己のやるべきことをするべきだと思った」





『……そうですか、わかりました』



別に悲しいわけでも寂しい訳でもない
ただ、彼といれば、なにか




大切なことを思い出せそうだったから




「しかし、正直、Aとももっと共にいたい！！



A！！！



俺と手合わせ願いたいっ！！！」




……は？


日輪刀で戦うの？
刀、首に当たったら、いくら鬼でも死.んじゃうんだけど




「もちろん木刀だっ！！ それに、俺にAは殺.せないからな！！」




『わかったよ、少しだけね』













『……ｯ！！ いいね、太刀筋はとても良くなっているよ、杏寿郎』



「やはり、Aも現役時代と変わらず強いな！！」



現役時代て、今もだっつーのっ！！



私たちはお互いが満足するまで稽古しあった


猗窩座や堕姫姉が入って来ようとしていたが



ほかの皆がとめてくれた





『今日はこれくらいでいいかな』


「うむ！！ 久しぶりにいい汗をかけたと思う！！」



それなら良かった


杏寿郎はこれからどうするのだろう



鬼殺隊に帰るのか、






それとも…

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