壊れた星の輝きを【鬼滅の刃】【時透無一郎】

捌 ページ10

私は自分の顔を見せたのは1回のみ




父と買い物に出ている時にうっかりお面が外れてしまった



しかし、衝撃だったのはそこからで
私と目が合った人が次々に倒れていくのだ





それから、もうお面は外すな、と何回も父から言われた





……私の顔ってそんなに酷いの？



そんなに醜かった？





みんなに見せれない顔をしてるから、お面を被せてるの？




父は私が自分の顔を見ることさえも許さなかった




…だからかな、私は私の顔を知らない

いつか見てみたいとは思うけどあんまりにも不細工だったら悲しすぎて





そんなこともあり私は自分の顔を自分から隠すようになった



宇髄さんに取られそうになった時は焦ったけど






まぁ、この話はいいとして



まじで鬼、どうした？




『ねぇ、ちょっと
お面つけるから、もう見ない方がいいでしょ？




……私の顔、酷いから』





私はお面を拾おうとするが、童磨に先に取られてしまった



『……は？ 返せ、虹色目ん玉』




「…お前、今日からはお面をつけるな。


つけたら、日光に晒す」




……何その脅し文句



お面つけるな？ ふざけんな昆布




「面は私が持っておく」




寄越せ、と童磨から奪い取る





『私、嫌なんだけど

なんで自分から醜い顔を晒さなきゃいけないわけ？
みんな笑いたいんでしょ、正直に笑えばいいじゃない』




もう私は正直拗ねていた



鬼にされたのは悔しいし
面を取られたのは屈辱だし
何より、鬼殺隊の仲間に会いたい、寂しい


もう耐えられそうになくて目に涙が溜まる



最悪かよ、鬼の前で泣くとか






涙が零れた、そう思った瞬間




私の前には６つの目があった





……怖っわ





「……泣くな……私は…お前が泣くところは…見たくない……」




そう言って涙を拭う
その手は思ったよりも温かくて……



涙が次々と零れ落ちた





……柱のみんなはきっと、私に幻滅しただろう
鬼になってしまった私のことを許さないだろう
次会うときは、斬ってくるはず


私を生かさぬために




私に刃を向けるだろう




そう思ってると涙は止まりそうにもなくて





「……やはり……思う存分泣くといい………ここには我らしかいない」



上弦の壱は私が泣き止むまで頭を撫でてくれた


童磨も私の背中をさすっている


上弦の参も、何も言わず近くにいた









鬼の優しさに触れた私は、なんとも言えない気持ちに襲われていた

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