壊れた星の輝きを【鬼滅の刃】【時透無一郎】

参拾肆 ページ38

「A……、師範は許してくれても俺は自分を許せない

俺は師範に沢山救われたんだ
それを仇で返す形になってしまった

俺は、師範にあの時助けてもらわなければ今ここにはいない
おそらくあの蛇のような鬼に食われていたことだろう

……Aと過ごした日々は俺にとっては初めてだった
俺と話しても口の傷を見ても師範だけは笑いかけてくれた
さよならなんて、言わないでくれ…ｯ」



…小芭内
私は小芭内の頭をゆっくり撫でた



『こうするのはこれで三度目かな
1度目は鬼から助け出した時、2度目は全集中の呼吸を使えるようになった時

……小芭内、おまえは強い
私が居なくても、もうやっていける』



「嫌だ。師範、居なくならないでくれ…ｯ」


『私はいなくなるわけじゃないよ。ちゃんと小芭内のことを見てる。ちょっと離れたところにいるだけで、私はずっと一緒にいるよ』



どんなに離れていても鬼になっても
小芭内が私の大切な継子であることは変わりない



「…師範、絶対、絶対に見ててくれ。俺は師範のように強くなってみせる」



小芭内にこんなこと言われちゃぁさ

『もちろんっ！！ ずっと応援してる』



としか言えないよね









えっと、次は天元かな


『天元、正直おまえに言うことは無い』


「酷くねぇか？ 一応名目上最後だろ？」




……そうなんだが。天元に限っては微妙に言うことがない
なんて言うんだろう

いるのが当たり前、って感じだったから


『……私は天元がいない日常がまだ想像がつかない
おまえはいつでも、私が困ってたりする時に何故かいるやつだったんだよ
そんなおまえに私は何度も救われた

天元はさ、元忍ってこともあるから冷静に物事が判断できたよね、私は感情的になりやすかったからさ。無意識に私は天元を求めてたと思う。ありがとう、そばにいてくれて｡私を見放さないでくれて、ありがとう』




おそらく一番初めに夢子の嫌がらせに気がついていたと思う
長い間一緒にいたらお互いの気持ちなんて簡単に読み取れる



「Aも、俺が嫁と喧嘩しちまった時とか、相談乗ってくれたじゃねぇか。俺だって、Aに救われてたんだよ。

なぁ、俺はさ、これから誰に相談すればいい？
お前がいなくなったら、俺、正直やって行ける気がしねぇ」




……天元

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