【刀剣乱舞】LOVE/LIKE/アイ？【短編集】 (ページ7)

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日常・仕事ページ7

…暖かい。干したばかりの布団に包まれているような。お日様の匂いがする。

瞼がゆっくり持ち上がる。日光が目に痛い。

　「…は?」

小狐丸に抱き竦められている。らしい。

…今何時?

そうね大体ねー…。

まだ早い…訳がない!!

腕時計を確認すると、現在10時15分過ぎ。実に2時間の遅刻だ

　「小狐丸、起きろ、起きなさい!離せ!!」

そうだ私には仕事がある。今頃近侍が部屋で待っている。行かねばならぬ。
ただこの小狐丸、Aの腰を両腕でガッチリホールドしているらしく、しかも起きる様子もなく、脱出する事が出来ない。

なんとか腕の下からすり抜けて、Aは離れに向かって走り出した。

小「…行ってしまわれたか」

　「すまん、待たせた!!」

離れの襖を勢いよく開け放つと、近侍の前田藤四郎が座布団に座ったまま、

前「構いません。僕も今来たところですので」

と微笑んだ。

　「そんな訳…」

走って荒ぶる息を整えつつ前田の前に膝をつく。

前「そんなに急いで来られたのですか」

　「…本当に…すまん」

もうそれしか言えない。

前「兎に角主君は椅子にお座り下さッ…い」

一瞬立ち上がりかけて、不自然に座り直す動作をした。

ほーん。

　「とうっ」

前田の足の裏をつつく。

前「あっ…ぐうっ」

　「ずっと待っててくれたんだな。ありがとう」

前「そう思うのなら、何故こんな酷い仕打ちをっ」

　「嘘は駄目だぞ。後いつも言っているが正座、崩していいんだぞ」

　「前田、今日の予定は」

前「昨日残した給料の計算が少し。10時30分より桶狭間へ第3部隊が遠征に向かいます。11時に江戸から遠征部隊が帰城予定です。政府からの連絡はまだありません」

　「ありがとう」

前田は小さい体から想像もつかない程、よく働く。今のも空で言った。

そんな訳で、近侍は前田と主命とあらばのへし切長谷部が一週間交代で勤めている。
仕事の引き継ぎが面倒だから、という理由もある。

　「そういえば、厨房の備品整理はどうなっている」

前「…すみません、忘れていました」

こういう所もある。