【刀剣乱舞】LOVE/LIKE/アイ？【短編集】 (ページ35)

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馬小屋・セクシャルなページ35

乱は戸惑っている薬研の手から雑誌を奪い取り長谷部に突き出した。

乱「長谷部さんはどんな人が好き？」

長谷部の目が真ん丸に見開かれた。視線は雑誌の美女に注がれている。

乱「この人とか、あるじさんっぽいよね」

乱れた浴衣を着た女性のページだ。黒髪ショートが良く似合っている。

小「しかしぬしさまにしては胸が大きいのでは？」

乱「あるじさん貧乳だよね」

薬「だが胸派の長谷部にはぴったりだな」

長「俺は胸派など一言も…！」

薬「尻派だったか。それはすまん」

長「胸派だ！」

言った後、はっと気付いた。3人はにやにやと笑みを浮かべ、生暖かい目線を送っている。

長「や、止めろ！というか、こういうの、あれだぞ！セクシャルハラスメントとかいう！」

薬「というか、大将は男だろ？胸以前に」

長谷部の話を完全に無視し、薬研はふと呟いた。

乱「えっ？あるじさん女の子じゃないの？」

乱の返事に小狐丸、長谷部も同意する。長谷部は気持ちを落ち着かせ、深呼吸を繰り返している。

小「ぬしさまはあまり御自身の事を話たがりません。性別の事もです。私は女性として接していますが」

薬「成る程な。俺はあまり深く考えずに男だと思ってた。もしそうだったらどうするんだ、胸派代表の長谷部さんよ」

長「だからそれはセク…」

ぴたりと長谷部の動きが止まった。目線の先には、門を潜ったばかりの三日月の姿があった。彼は昨晩から外出し、帰って来ていなかった。
小狐丸が露骨に嫌な顔をし、三日月に近付いた。

小「三日月殿、朝帰り…いえ、もう昼ですか。また花街に？」

三「おお、小狐丸か。そうだ。何か問題でも？」

小「貴様が出掛けた後のぬしさまの顔を見てもそんな事が言えるのか。あの寂しそうな表情と言ったら…」

三日月と小狐丸の会話を遠くで眺める3人は、その異様な空気に押し黙った。小声で何を言っているのか聞こえないが、仲良く談笑、には見えない。
三日月が本丸の建物に入り、小狐丸が追い掛けた。まだ話の途中ですよ、という彼の声が遠ざかり、暫し無言が続く。

ふいに長谷部が乱の持つ雑誌を奪った。

長「兎に角、これは没収だ。2人は反省文を今日中に出す事。以上！」

それ、ボクのじゃないよ！という乱の言葉を背中で聞きながら、長谷部は主の事を疑い始めていた。