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雑踏の中、

萌葱色の着流しに、烏羽色の羽織、

灰桜色のショートカットの襟足がぴょんとはねた

人影が、網の目を縫うように歩いていく。

切れ長の目は、虚空をとらえているようで、

道行く人々をさりげなく追っているようだ。

すり抜けるように歩いているのだから、

邪魔になってもおかしくない状況。

しかしすれ違う人皆、

彼女のほうを振り向きもしない。

そうやってのんびり歩きまわった後

彼女は歌舞伎町の出口へと足を進ませた・・・。



暁サイド



あ〜あ・・・

面倒くさいなあ。

こんな時になってまさか真選組が尋ねてくるなんて

全く予測してなかったしなァ・・・。

最近は、収入がはっきり言って皆無。

警察の手伝いなんて

彼奴らが知ったらなんていうかわからないけれど

こうでもしないと本が買えない。

あ〜あ、ニートで大金が入ってくるような魔法の薬、

誰か作ってくれねェかなあ・・・。

まあ、こうやって(企業秘密)

ああ、そろそろ真選組の屯所に行かなくちゃならねェ・・・

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作者名:語り屋誠 | 作成日時:2017年3月7日 5時

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