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部屋には暁と土方、それから沖田。

暁はためらうことなく、

「何の情報をお望みですか?」

と口にする。

沖田は先ほどのアレで一気に警戒度が増したらしく、

口を開く気配はない。

「・・明日、攘夷浪士が○◇倉庫で、
 会合を開くって言う情報は入ってねェか?」

土方がそうたずねれば、

まぶたを閉じて思考を巡らせる暁。

「・・・ありませんよ。
 そんなことより私は、敬語が疲れました。
 もう敬語の対応はあきらめてください」

断言した後の唐突なカミングアウトに、

目を丸くする2人。

「・・そのかわり、
 会合と武力をちらつかせて
 真選組とやるつもりだっていうのは、入ってるよ」

先ほどと変わらない声音で、

悠然と言ってのける暁。

これには反応してしまったのか、

「どういう意味でィ」

と沖田が訊ねる。

「そのままの意味。
 おおかたそっちに密告でもして、
 それをネタにおびき寄せようって言う腹だろ。
 奇襲でもかけるんじゃねェの?
 ・・・もう少し集めろって言うんなら、
 今から動くけど?」

緩慢な動きで本棚に埋もれつつあった箪笥から、

男物の着流しを取り出しながら問いかける暁。

土方は、一瞬躊躇した後

沖田と目線を交わす。

「金は・・・?」

「とらねェよ。
 ・・訂正、金勘定はコトの後だ。」

「どういう?」

「・・今金とったら、
 情報に見合った値段かはかりにくい。
 まあ、
 気が向いたら煎餅でも持ってきてくれ。
 甘いのは嫌だ」

寝間着のしわくちゃな服を脱ごうとしながらそう言う暁。

なるほど。

と納得しかけた土方だったが、

目の前の状態がやばいことに気づく。

顔を赤くして沖田の腕を引っ張ると

あわてて外に飛び出した。

暁は不可解な行動に首をかしげつつ、

「で、動けばいいのか?」

ともう一度問う。

部屋の外から土方の妙につかれた

「頼む」

という声が聞こえ、

暁は一瞬口角を上げると

「その依頼、引き受けた。」

と呟いた。

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作者名:語り屋誠 | 作成日時:2017年3月7日 5時

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