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暁サイド


「邪魔するッスよ」

「!?」

「そんなに驚かなくてもいいじゃないっスか
 今日は六か月に一回の情報収集の日っスよ。」

・・・日黒 御国・・・。

なんでこんな時に限って。

「・・・そうかよ・・。
 で、何の情報だ」

「そんなにツンツンしないで欲しいっスね〜
 なんでそんなに敵視されてんのかわかんないっスけど
 一応俺はアンタの分家なんスよ?」

「・・・
 そうだな。」

・・・ああどうすれば。

どうすれば楽になれる?

死ねばいいんだろうか。

それもいい。

でもきっと、こいつは私が死んだらあいつらを殺すだろう。

一言でもそう漏らせば、

こいつは私にそう言ってくるに違いない。

・・・こいつを殺したくても。

「・・・何しようとしてんスか」

「ぁぐ・・!
 お前に、向けたもんじゃない・・・」

「そうスか?
 ・・その顔もいいッスね・・・。
 戻ってこないっスか?
 俺の隣に。
 徳川の城で、一緒に働いた方がいいスよ」

「誰が。
 真選組に入るって手紙出したろ。
 それに私はお前のものじゃない。
 ・・・そんなことよりお前、あの戦争のとき誓ったろ」

「そうスね。
 ・・・気が変わったかと思ったんスけど」

・・・そんなわけないだろうが。

こいつの一族は・・・

まあ、ウチの分家に限った話だが

人の殺気に驚くほど敏感だ。

あの日、私は身体に烙印を押されてから、

こいつの前で殺気を見せると毎回発作が起こる。

死ねないし、殺せない。

「・・・幕府の官僚の噂、
 入ってないっスか?」

「・・・橋口と本間。
 橋口は攘夷志士に金を流したり武器を流したり。
 なんでも、横領したものを流してるとか。
 本間はその手の天人とつるんで
 麻薬の販売事業に手を出してる・・・らしい。」

「へェ。
 いったいどうやってその情報仕入れてるんスか?
 幕府が集めるよりアンタに聞いた方がわかるなんて、
 ほんと、収集能力は半端ないっスね。
 ・・・ま、アンタがまだこっち側だってことは、
 この六か月ぶりの再会でわかるスから。
 ・・・裏切らせはしないっスよ。」

「っ・・・わかってんよ」

私はそう言って、

御国を追い出した。

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作者名:語り屋誠 | 作成日時:2017年3月7日 5時

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