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土方サイド



俺の隣には総悟。

今日は朝早くからこいつを誘って、

近藤さんの代わりに歌舞伎町郊外へ向かっている。

事の始まりは、一昨日の匿名の密告だ。

明々後日・・・今日から言う明日、

攘夷浪士が江戸の外倉庫で集会を開き、

そのまま武力行使に出るかもしれない。

という内容だった。

山崎や、他の監察にいろいろ探らせたが

いい情報は一つも発見できていない。

異様に情報の隠ぺい工作がなされているのか、

それともただのガセなのか、

場所がはっきりしているだけに疑いづらい。

今日も調べには行っているが、

この調子ではいい結果は期待できないだろう。

近藤さんとはいろいろ相談したが、

この事件自体がガセの可能性、

信憑性は少ないが本当の情報である場合、

ただ単に、会合のみが開かれる場合、

集まる攘夷浪士がそれほど過激ではない場合

最悪の場合としては、

この情報が俺達に対する罠。

などなど、実際に絞り込むには難しいほどの

予測が出た。

そこで、町で有名になっている、

百発百中の情報屋の意見を聞いてみようと、

近藤さんが言いだしたのだ。

局長であるあの人が屯所を離れるわけにもいかず

総悟と二人でその情報屋に行くことになったのだ。

「土方さん、こっちで本当にあってるんですかィ?」

「ああ、あってるよ。
 その角左に曲がったらすぐだ」

「意外とちけーんですねェ」

そんな風に感想を言い合いながら角を曲がると、

噂通りというべきか

人ひとり住んでいないようないでたちの、

建物が建っていた。

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作者名:語り屋誠 | 作成日時:2017年3月7日 5時

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